広島 会沢憤死の奇襲攻撃も終盤の続投判断も、すべては大瀬良を勝たせるため~安仁屋宗八氏の独自見解
「広島0-2中日」(16日、マツダスタジアム)
広島が中日との投手戦に敗れ、本拠地での連勝は「8」で止まった。先発した大瀬良大地投手(33)は打線の援護なく8回を4安打2失点で敗戦投手。奇襲作戦が不発に終わり完封負けを喫した広島だったが、デイリースポーツ評論家の安仁屋宗八氏は「中心選手の大瀬良を勝たせたいというベンチの意思が見える試合だった」と振り返った。
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大瀬良の投球内容は非常によかった。常にカウント有利。会沢の内角の使い方もうまく、先に追い込んでから勝負していた。それだけに七回の失点は悔やまれる。
二死となってホッとしたのか。細川への初球は浮いたところを狙われ二塁打されたものだが、不注意だったのはそのあとだ。ボスラーに対しては一塁が空いているのを頭に入れて余裕をもって投げてほしかった。焦ったのかな。もったいなかったね。
しかし、この試合で感じたのは大瀬良に対するベンチの期待の大きさ。それは1点をリードされて迎えた八回の続投に出ていたように思う。
一死二塁から大瀬良が珍しく連続四球を与えた場面。普通なら満塁となったここで交代となるのだろうが、新井監督は動かなかった。結果、犠飛で追加失点を与えたが、僕が監督でもあそこは続投ですよ。
開幕投手こそ森下に譲ったけど、大瀬良は今でもチームの中心選手であり、投手陣を引っ張っていってもらいたい存在だからね。
もうひとつ。“大瀬良に勝たせたい”というベンチの意思は六回の攻撃でも感じた。一死一、三塁からの奇襲とも言えるヒットエンドランを仕掛けたところだ。
(一塁走者は二俣。三塁走者は会沢。打者は矢野。柳の2球目。矢野は内角低め、完全なボール球の直球をバットに当てられず空振り。スタートを切っていた会沢が三本間で挟殺された。勝負を賭けるなら会沢には代走だったか)
矢野の空振りで失敗には終わったけど、会沢に代走を送らなかったのは大瀬良とのコンビネーションを大事にしたからだろう。それほどこの日の出来はよかった。
結果的に新井監督の期待に応えられなかったということ。その気持ちが分かっていたからこそ、大瀬良は悔しそうだったね。
それより柳には苦手意識でもあるのかな。たいして厳しいとは思わない球で、どんどん追い込まれていた。ニタニタ笑いながら投げているようにも見えたし、見下されている感じ。相性が悪いみたいだね。先々のこともあるし、苦手を作ってはいけない。





