広島・鈴木健矢 アンダースローで勝負は「怖いです」 新庄監督「渡辺俊介さんが苦手」連絡は「結構DMで」インタビュー
広島の鈴木健矢投手(27)の投球スタイルは奥深く、見る者の目をひきつける。昨年12月の現役ドラフトで日本ハムから加入。新天地で迎えた今キャンプはここまで実戦2試合に登板し、計4回無失点。近年のカープにはいなかった下手投げで打者を手玉に取る右腕のこれまでと、これからに迫った。【下】
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-改めて現役ドラフトで選ばれた時の気持ちは。
「一番はびっくりした。(現役ドラフト当日は)治療院に行っていて。17時に公式発表となっていて、治療院の先生から『今日現役ドラフトだよね?』と言われて、『あ、そうですね』って時計を見たら、16時半だった。『さすがにこの時間なら、もう対象選手には電話がいっているんじゃないですかね』と言った5分後くらいに、先生から『知らない番号から電話が来てるよ』って言われて『え!?』みたいな。そこで栗山さんから『移籍します』と言われて、『まじか』と」
-日本ハム・新庄監督からは移籍に際して何か言われた?
「『いつも見てるよ。楽しんで。チャンスだから』と。連絡先を知らないので、とりあえずインスタのDMで『移籍します』と連絡をして(笑)」
-いまどきの連絡手段。
「結構DMで来ていました。就任した瞬間も『よろしくね』って来たり、起用法も『中4日いける?』とか」
-新井監督はガラケー。
「らしいですね。監督会議の時の映像でそれ見ました」
-プロ3年目の春季キャンプで、新庄監督からの助言で横手投げから下手投げに転向した。
「ボスから『怖くないね。サイドだけど、右バッターに怖くない』と言われて。そういう感じなんだと思いながら投げていて、急に呼ばれて『下からにしようよ』と。新庄さんは渡辺俊介さんが苦手で、アンダースローをつくりたいと思ったみたいで」
-新庄監督からの教えで今に生きている点は。
「『頑張るんじゃなくて楽しんで』というのは結構言われてきました。僕が初先発した時も『楽しんで行けよ』と言われて、『頑張ります』と答えたら、『頑張っちゃダメだよ。楽しまないと』と言われて、すごく気持ちが楽になりました。僕の投球スタイルは真剣に投げたら良くない。真剣に投げると単調なリズムになってしまうので、投球を楽しんで、いろんな球や間を使ってバッターをどう打ち取るかを意識しています」
-理想の投手は。
「渡辺俊介さんです。『アンダースローと言えば』という方でお手本にしています。俊介さんには独特の間がある。自主トレもお願いして一緒に行ったこともあるのですが、そこで『力を入れたら負け』と言われて。俊介さんは投げ終わった後、ベンチへ帰る姿も脱力している。クネクネしているというか、全てが柔らかいというイメージです」
-元々横手投げで最速147キロ。今120キロ台で勝負することは怖くないのか。
「怖いですよ。真っすぐでどんどん押していたタイプだったので、それを20キロ以上遅くなった球で、ゾーンで勝負というのは。アンダースローにして一番思ったのはそこです。『大胆に』というのは思っているけど、投球スタイルが180度変わってしまったのでなかなかできなくて、戸惑いがありました。でも俊介さんを見ていると、真ん中付近にどんどん投げ込んでいっている。緩急と間でずらす。ラインではなくて、奥行きで勝負する感じです。俊介さんの動画を見ていたら、自分のスイングをしている人はほとんどいないです。ヒットでもラッキーヒットが多くて、ちゃんと捉えている人はなかなかいない。『こうやってやれば抑えられる』という教科書があるので、参考になっています」





