広島・九里 初大役で吠えた7回3失点 DeNAドラ1・度会に痛恨同点3ラン被弾 「プラスに変えられるように」

 「DeNA4-3広島」(29日、横浜スタジアム)

 広島の九里亜蓮投手(32)が自身初の開幕投手を務め、7回8安打3失点の投球を見せた。先制の援護をもらいながらも三回に相手の大型新人・度会に同点の3ランを浴びた。それ以降はDeNAに得点を与えない粘投を見せただけに悔しい被弾となった。チームは3-3の八回に2番手・島内が決勝点を献上。接戦を落とし、新井カープは2年連続での黒星発進となった。

 吠(ほ)えに吠えた。ピンチを脱した喜びも、一発を浴びた悔しさも、隠すことなくマウンドで表現した。自身初の開幕マウンドで九里が7回8安打3失点。11年目にしてつかみ取った大役で役割は果たした。しかし熱投が報われることはなかった。敗戦後のチームバスまでの道のり。右腕は「打たれてしまったものは何も変わらない。しっかり反省するところは反省して次に向かっていきたい」と気持ちを切り替えた。

 投球全体は「そんなに悪くなかった」。だからこそ悔やまれる。落とし穴は3点を先制してもらった直後の三回だった。1死一、二塁から警戒していた度会に右翼へ同点3ランを被弾。初球の高めに浮いたスライダーをたたかれた。

 「僕の投げミス。コースも、高さも甘かった。ああいうところをしっかりやらないといけないと思う」

 マウンド上で歯ぎしりした右腕。勝ち越し点は与えずにイニングを完結させるも、口をグラブで隠しながら、悔しさに任せて吠えた。

 気合がみなぎっていた。新井監督から「思い切っていってくれたらいい」と背中を押されて向かったマウンド。「変な緊張もなかった。独特の雰囲気を感じて投げられた」と右腕は語った。元々、感情を前面に出す投球が持ち味だ。平常運転の証しでもある雄たけびは、2死から佐野を見逃し三振に仕留めた初回の場面から見られた。

 三回に同点弾を浴びた後はピンチを招いても粘りの投球。ベンチではナインから「まだ0-0と一緒だから」と励まされた。「本当にそういうところは心強かった。追い付かれたけど、なんとか相手に追加点を与えないようにっていう気持ちで三回以降はずっと投げていました」。試合はつくった。新井監督も「初めての開幕投手で緊張もあったと思うけど、ナイスピッチングだったと思います。よく投げたと思う」と褒めたたえた。

 初の大役を終えた九里は「ずっと目指してやってきたところでしたし、自分の中でそれをプラスに変えられるようにやりたいと思う」と前を向いた。32歳にして立った新たな境地。悔しさ交じりの経験はこれからの長いシーズンに生かしていく。

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