広島・九里 新球使える! 変化量自在にスプリットチェンジ操った! 開幕投手へ上々4回0封

 4回、味方の守備に拍手を送る九里(撮影・市尻達拡)
 スプリットチェンジを投げ込む九里(撮影・市尻達拡)
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 「オープン戦、楽天3-1広島」(2日、倉敷マスカットスタジアム)

 開幕投手に決まっている広島・九里亜蓮投手(32)が2日、初実戦となるオープン戦・楽天戦(倉敷)で上々の仕上がりを披露した。4回を投げ1安打5奪三振で無失点。新たに取り組むスプリットチェンジの感触も良く、従来のチェンジアップ、スローカーブと3種類の遅球を変幻自在に操った。29日のDeNA戦(横浜)での大役へ、さらに状態を上げていく。

 引き出しを一つずつ開けながら、自身の武器の“現在地”を把握した。加えて新球も試しつつ、今後の活用法を探ったマウンド。九里は「投球に関しては課題の方が多かったんじゃないかな」と話すも、本番に向けた最初の予行演習で4回を1安打無失点にまとめた。

 初回は1死三塁のピンチを招くも辰己、浅村を連続三振。二回は先頭・島内に四球を与えるも、後続を寸断した。1死一塁での黒川には、オフから見つめ直した直球を内角に投じて空を切らせた。「真っすぐにこだわってやってきた中、ある程度コースに投げ分けられた」とプラスに捉え、継続を誓う。

 三回は無死一塁から、小深田と田中和をいずれもフォークで連続の空振り三振に。このフォークとチェンジアップに加え、新たに取り組むのが新球のスプリットチェンジだ。以前から持ち球にしているチェンジアップが120キロ前後で、それより速い球速帯のチェンジアップというイメージを描く。

 昨年までDeNAに在籍していたバウアーも操っていた変化球で、昨季の球宴では助言を仰いだこともある。奥行きを生かして打者の打ち気を手玉に取るのが一般的なチェンジアップ。新たなスプリットチェンジは右打者の内角、左打者の外角へシンカー気味に落ちていく軌道だという。

 この日は四回1死での浅村に、3ボールからスプリットチェンジを2球続けて、空振りとファウルでカウントを稼いだ。さらに2死一塁での鈴木大に対して、1ボールから2球続けて三ゴロに仕留めたのも、この新球だった。

 使いどころについては「カウントを取る時はゾーンの中であまり落ちなくていいかなと思う。有利なカウントでは落ち幅を増やすのか、そういうところは考えながら。全く同じ軌道じゃなくてもいいのかなと」と変幻自在の一球として投球の幅を広げる姿勢。変化量を一定に保つ必要性はないと話し「しっかり腕を振って投げることだけを考えて」と意気込んだ。

 最速は144キロ。緩急を織り交ぜた投球に新井監督は「開幕に向けて、あとはしっかり調整していってもらうだけですね」と背中を押した。「一日一日を無駄にせず、しっかり準備して次の試合に臨みたい」と九里。多彩な変化球を操るだけでなく“新味”も出しながら、チームの初陣へ万全の準備を施していく。

 ◆九里亜蓮の今キャンプ

1日 キャンプ初日からブルペン入りで気合示す。

9日 本紙評論家・安仁屋宗八氏に今季200イニング確約。

15日 2次キャンプ初日にブルペンで120球。

16日 新井監督から開幕投手を告げられた。

20日 初打撃投手。25球全球ストレート。

26日 初シート打撃登板。打者11人、6安打。

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