カープ床田 倍増で夢の1億円プレーヤー 「“ちゃんとプロ野球選手やってました”と言える目安」
広島・床田寛樹投手(28)が1日、マツダスタジアム内の球団事務所で契約更改に臨み、倍増の年俸1億円でサインした。(金額は推定)。球団左腕の1億円突破は1998年の大野豊以来2人目となった。今季はチーム最多11勝で初めて規定投球回に達した中、来季はキャリアハイの成績と170イニングに照準を定めた。
かつて抱いた夢を一つ、かなえた。初めて年俸が1億円に乗り、床田は「思ったより多かったので、けっこうビックリしました」と驚き交じりに笑った。入団時には1億円プレーヤー、現役10年間、FA権取得を目標にしたという。「僕の中で“ちゃんとプロ野球選手をやっていました”と言える目安の一つだった。良かった」と実感を込めた。
昨夏の試合中に右足首を骨折。そこから復活し、今季はチーム最多の11勝を挙げた。2度の完封勝利など、防御率はリーグ3位の2・19。自身初の2桁勝利と規定投球回(156回)に到達した。勝利数、投球回、防御率でキャリアハイ。「同じ変化球でも強弱をつけたり『この打者とは勝負しなくていい』など、余裕を持って投げられたのが一番大きかった」と躍進の要因を分析した。
ただ「もっとやれたんじゃないかな、というのが正直な思い」と決して満足感はない。7月27日までに9勝を挙げた一方で、8月以降は2勝止まり。逆転優勝を目指した夏場の戦いで、8月24日から自身3連敗も喫した。
「逆に今年良かった分、来年は怖いなと。このままじゃ多分きついだろうなと思っている」と危機感も吐露。オフはウエートトレーニングに主眼を置き「機能改善というか、肘が痛かったので他の部分でカバーできるようにできたら」とフィジカル面を鍛えていく。
CSファーストS初戦ではDeNA・東、同ファイナルS第3戦では阪神・大竹と投げ合った。だが自身に白星は付かなかった。「ああいう投手に勝つためには、いいところで投げさせてもらわないと馬力が付かない。どこで投げさせてもらうにしても勝ちたい思いは変わらないので、何とか勝てるように」。投手陣の軸としての自覚を強めた。
来季に向けて「全部でキャリアハイを残したい。イニングだけは170くらい、いきたい」と意欲十分だ。チームとしても「CS(ファイナルS)は負けてしまった。ああいう思いは、もうしたくない。優勝して日本一になれるように」と誓った床田。頼れる左腕が広島を頂点へと導く。





