カープ羽月 佐々木朗希の連続無失点を止めた工夫「速い球を早く振るのではなく」 今季初安打が2点タイムリー
「ロッテ6-5広島」(11日、ZOZOマリンスタジアム)
短く持ったバットで重く、分厚い壁をこじ開けた。どよめきとともに、打球は三遊間を破る。広島・羽月隆太郎内野手は三塁ベンチに向かって両手を掲げ、ガッツポーズ。チームは敗れた一方、怪腕・佐々木朗に対して「何とか空振りだけはしないように、イメージしながら」と、一矢報いた。
四回まで完全投球を許したが、五回に2死満塁の好機が訪れた。「前に飛ばすことだけを意識した」。カウント1-2からの4球目は、日本人最速タイとなる165キロ。快速球をバットに当ててファウルにし、最後は9球目の直球を左前への2点適時打とした。
佐々木朗のZOZOマリンでの連続無失点記録を29イニングで止めた、自身今季初安打。「日本を代表する投手なので、そんな簡単にはみんな打てないと分かっていた。だからこそ追い込まれてから人より何とか、がんばろうと。技術があるわけではないので」。ひるむことなく立ち向かった先に、仲間の笑顔が広がっていた。
4日・ソフトバンク戦では九回1死から代打で登場。粘って12球目に四球をもぎとった場面も記憶に新しい。構えた位置からバットを動かさず、無駄を省いて「速い球を早く振るのではなく(いかに)ギリギリまで見られるか」と剛速球攻略の工夫を挙げた若鯉。すさまじい粘り腰で、次戦以降も難敵に挑む。