広島・黒田アドバイザー 初日から教えまくり 栗林らに声かけ回り 宝刀フォークも3種類伝授「まだまだ全然」
「広島春季キャンプ」(5日、日南)
広島・黒田博樹球団アドバイザー(47)が5日、本格的に始動した。ジャージーに身を包み、ブルペンでは投げる投手に順番に声を掛けコミュニケーションを取った。変化球で悩みを持つ2年目の松本竜也投手(23)にはフォークの3種類の投げ方を解説。日米通算203勝の知識を惜しげもなく伝授した。
晴天の日南・天福球場、投手陣を集めた円陣。黒田塾は“塾長”のあいさつから開講した。
「質問したいことがあれば、それなりにしっかりした答えを出せるので、準備して勉強しながら、みなさんのサポートをしていきたいと思います」
キャッチボールが始まるとさっそく栗林とWBC公式球について言葉を交わした。ブルペンに移るとケムナ、九里、ドラフト3位・益田(東京ガス)、島内、藤井、同6位・長谷部(トヨタ自動車)、松本と次々に声をかけてまわった。
松本には逆質問から悩みを導き出した。
「2ボールから変化球限定なら何を投げる?」
言葉に詰まる松本は素直に「変化球にはまったく自信はないです。空振りを取る変化球が課題です」と打ち明けた。
ならばと黒田塾長は惜しげもなく宝刀フォークの投げ方を教えた。それも3種類だ。
「一つ目は手首をかぶせる、もう一個は手首を立てて、使わずに抜くイメージ。もう一個は手首をかぶせるイメージだが、最後に自分のところに引いてくるようなイメージの投げ方を言われました」
決して押しつけないのが黒田流。3種類の中から自分に合ったものを探すように助言。当初、50球程度の予定だったのを15球オーバーし、それぞれの投げ方を試した。
黒田アドバイザーは「1日言っただけで、そんな簡単ではないですけど。いろんな投げ方があると思うんで、それを提示しました。その中で彼が投げながらフィーリングの合うやつをチョイスしていけばいいんじゃないかな」と話した。
初日からフル回転の黒田塾長。それでも「まだまだ全然、話し足りないところもありますし、みんなとしっかり話できていないので。グラウンドにいる間は話しかけてもらったら」と貪欲な姿勢を見せた。
日米通算203勝のレジェンド。持てる知識と経験のすべてを授ける用意がある。愛するカープが強くなるため、後輩たちが良い野球人生を送るために。