最低だった広島の盗塁阻止率 投手が見せる“予備動作”にも起因~高代氏の見解

 広島の盗塁阻止率は・204で今季リーグ最低だった。捕手の弱点を露呈した形となったが、デイリースポーツウェブ評論家の高代延博氏は「盗塁阻止は投手と捕手の共同作業。そこを一から見直す必要があるのではないか」と語り、バッテリーとしての課題を指摘した。

  ◇  ◇

 坂倉が捕手に専念することが新井監督の口から公にされたが、その判断には賛成だね。

 今年は打力を生かすために内野も守っていたが、複数ポジションをこなすのは本当に難しい。三塁と一塁は似たようなものと思われがちだが、投手を軸にして正反対に位置するから内野手としての動きは逆になる。

 ましてや試合途中から捕手に回ることもあったのだから、中途半端な“コンバート”だったと言わざるを得ない。そう思えば捕手一本は理想的だろう。

 その捕手としての坂倉の課題は肩とリードということになるのかな。

 (今季の広島の盗塁阻止率はリーグ最下位の・204。選手別では会沢・180、磯村・261、石原・200、中村奨・333、持丸・200、白浜・000。坂倉・133)

 肩に関して言うと、今年の数字は額面通りに受け取らなくてもいいのではないか。阻止率・133はかなり低い数字だが、坂倉が弱肩でコントロールが極端に悪いというわけでもないだろう。

 確かに数字に表れてはいるが、今年は会沢以下全体的に悪い。試合を見ていて感じたのは、間一髪セーフというシーンよりも、完全なセーフが目についたことだ。

 理由は何なのか。可能性としては、投球モーションを盗まれているということが考えられる。

 投手によっては投球モーションに移ると同時に出る“予備動作”が明らかなタイプがいる。いわゆるクセや傾向が分かる投手だ。

 セットポジションから足を上げるまでの瞬時において見られるもで、すでに体重が軸足に乗り一連の動作の初動の段階に入っているため、そこから牽制球を投げることはできない。つまり投球する以外ない状態で見せる動きを“予備動作”というのだが、これを察知されると盗塁は簡単に決められる。

 投球のパターン、言い換えれば牽制のパターンを読まれているのであれば、その対応策は必要だ。そういう動きを見せる投手は必ずいるもので、私の目から見れば広島にもいる。

 盗塁阻止に関して言えば、投手と捕手の共同作業になるから一概に捕手の責任とは言い切れない。投手も含めたバッテリーの問題として一から見直していかなければならないと感じるね。これは大事なことだ。

 新生カープはやることが多いと思う。投手陣の整備、捕手坂倉の一本立ち、内外野のポジションとトップバッターを含めた打順の固定。

 選手の成長や適性を見極めるまでの時間は必要だろうが、新井監督には適材適所という配置手腕にも期待したいところだね。

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