カープ藤井ヘッド 嫌われ役宣言 新井監督から電話で入閣誘い「チャレンジしたろう」

 今季限りで阪神のバッテリーコーチを退任し、広島の1軍ヘッドコーチ就任が決まった藤井彰人氏(46)が25日、マツダスタジアムで会見に臨み、「優勝を目指していける」と5年ぶりの優勝を目標に掲げた。対話の重要性を強調。「監督が言いたくないことを僕が言う」と嫌われ役を買って出るなど早くも“男前”なところを披露した。11月初旬に始まる秋季キャンプからチームに合流する。

 藤井新ヘッドコーチの首元にはカープカラー。この日のために娘と買いに行ったという真っ赤なネクタイで会見に臨んだ。

 「(新井)監督の報道を見て、せなあかんやろうと」

 近鉄、楽天、阪神を経て4球団目となる新天地。「不安もあるけどワクワク期待している自分がいる」と笑顔を見せた。新井新監督から電話で入閣を誘われ、最初は戸惑ったという。

 新井「ワシ、監督やるけぇ」

 藤井「おめでとう。監督やるんや」

 新井「ヘッドコーチやってくれんか」

 藤井「何言ってんの」

 新井「マジ、マジ、マジ、マジ。初めて声かけとんじゃ。一緒にやろうや」

 こんなやりとりを10分くらい続けたときに自分が興奮していることに気付いたという。

 「うれしい半面、不安も正直。家族も“なに迷ってんの”と後押ししてくれましたし、ワクワクしてきて。めっちゃ楽しそうって。チャレンジしたろうと思いましたね」

 新指揮官とは阪神に移籍した11年からチームメートとして4年間過ごした。日々、戦う中で野球談議に花を咲かせた。野球観は理解しているつもりだ。

 自らの役割について「ヘッドコーチは監督の分身。こういう野球をやりたいというのを分かっとかなあかん。監督が言いたくないようなことは僕が言ったらいい。ダメなことはダメ。良いことはいい。分かりやすく、あやふやにしない方が人は動きやすい」と嫌われ役も買って出る覚悟を示した。

 4年連続Bクラスのチームを預かる。

 「能力が高い選手が野手は特に多い。(再建?)全然、そんなチームではない。優勝を目指していける」

 今季までは阪神ベンチからカープを見てきた。対カープは開幕から1分けを挟んで9連敗を喫し、強さしか感じなかった。

 「すごく嫌なチームだった。来年、味方になると思うと、なんかうれしいです」

 阪神時代に代名詞だった“男前”のフレーズ。新井新監督のために、選手のために、ひと肌脱ぐ覚悟だ。(達野淳司)

 ◆藤井 彰人(ふじい・あきひと)1976年6月18日生まれ、46歳。大阪府出身。現役時代は右投げ右打ちの捕手。近大付から近大を経て、98年度ドラフト2位で近鉄入団。05年にオリックスとの合併に伴う分配ドラフトで楽天移籍。10年オフに阪神へFA移籍。通算成績は1073試合で打率・236、10本塁打、173打点。15年に現役引退後、フロント入り。16年にBCリーグ・福井にコーチ派遣。17年から阪神2軍育成コーチなどを歴任し、19年から1軍バッテリーコーチ。今季限りで退団した。

 ◆藤井ヘッド「男前」の由来 阪神時代の2011年7月2日の横浜戦(甲子園)で移籍後初本塁打。試合後、一緒にお立ち台に上がった新井が「チームメートはみんな喜んでました。『さすが男前』と言ってました」と発言。藤井も「顔しか取りえがないですが、一生懸命頑張ります」と応じたことが話題となり、以降「藤井=男前」が鉄板ネタとなった。本人もたびたび「取りえ?顔しかありません」と公言するようになった。

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