カープ中村奨成 希望の2安打 悪送球反省も今季初の捕手起用に本拠地沸いた

9回、右中間へ二塁打を放つ中村奨=撮影・立川洋一郎
捕手としても松本(右)をリードした中村奨
2枚

 「広島1-5日本ハム」(1日、マツダスタジアム)

 広島は7安打を放つも1得点に終わり、日本ハムに敗戦。2018年以来4年ぶりの交流戦連勝を逃した。もどかしさが募る中、ファンに希望の光を届けたのは中村奨成捕手(22)だ。今季初のマルチ安打を放ち、バットで存在感を発揮。飛躍が期待される5年目の若鯉が、勝利に欠かせぬ存在を目指して躍動を続けていく。

 この男が快音を響かせると、球場全体が大きく盛り上がる。打席に入る前に注がれた、拍手の大きさが鯉党の期待を物語っていた。中村奨が1軍再昇格後、初安打を含むマルチ安打。敗戦の中で気を吐き、再び交流戦で単独最下位転落となったチームの中で存在感を示した。

 3点を追う五回だ。1死一塁で広陵高の先輩・上原の5球目、146キロ直球を鋭く振り抜いた。痛烈な打球は二遊間をあっという間に抜ける中前打。得点には結びつかなかったものの、コンパクトな打撃で好機を拡大させた。

 これだけでは終わらない。4点ビハインドの九回は先頭で、北山の初球を完璧に捉えて右中間への二塁打。甘く入った149キロを逃さなかった。これで今季4本目の安打で長打は初。直前に2点を失ってリードを広げられた中、最後まであきらめない姿勢を貫いた。

 六回からは今季初めて捕手として出場。九回2死一、三塁の場面では一走・清宮の二盗を阻もうとした二塁送球が悪送球となった。三走・中島の本塁生還を許し、悔しさも残った。捕手が本職だが、外野での出番を増やす今季。緊張感ある試合の中での反省も、次への糧にしていく。

 「8番・左翼」で今季初めて先発出場した前日は、四回1死一塁から万波の痛烈な打球は左中間フェンス手前で好捕。飛び出していた一走・上川畑も中継プレーでアウトにしたが、先発・床田の投球がボークと判定されて“幻のファインプレー”となっていた。一夜明け、この日は打撃で存在感を発揮。攻守で示す全力プレーは間違いなくナインとファンに活力を与えている。

 チームは4年ぶりとなる交流戦での連勝を逃し、カード勝ち越しは2日のゲームに持ち越しとなった。「自分なりに初球からいいバッティングができた。まだまだ練習が足りない。明日からもう一度やれたらいいかなと思います」。ひたむきに、そして貪欲に。期待の5年目は、歯を食いしばりながら必死に結果を求めていく。

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