広島3億円打線 巨人12・5億円打線に12点圧勝 初お立ち台の矢野「打てて良かった」

 1回、2点適時打を放ち、ベンチへ向かってガッツポーズを見せる矢野(撮影・立川洋一郎)
 ヒーローインタビューを受けたお立ち台でポーズを決める中村健(左)と矢野(撮影・立川洋一郎)
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 「広島12-3巨人」(3日、マツダスタジアム)

 広島は若鯉が躍動し13安打、今季最多の12得点で首位巨人に快勝した。プロ初先発した2年目の矢野雅哉内野手(23)が初回、プロ初安打初打点となる2点適時打。ドラフト3位・中村健人外野手(24)=トヨタ自動車=もプロ初打点を含む2安打1打点と暴れた。この日、巨人スタメンの推定総年俸12億5200万円に対し、広島は3億2680万円。今季最多3万580人が詰めかけた本拠地で“巨大戦力”から大きな1勝をもぎ取った。

 うれしさいっぱいの初お立ち台だ。中村健とともに大観衆の前に立った矢野は、左手にマイクを持ち右拳を突き上げる。「打てて良かった」。若鯉がズラリと並んだ打線が13安打で今季最多の12得点。記念打が勝利につながり、うれしさも倍増だ。

 「内角甘めの真っすぐを狙ってたんですけど、それが中に入って捉えられた」

 2点を奪って迎えた初回2死満塁だ。前打者の小園が四球だったため初球からスイングすると決めていた。読みはピタリと当たる。打った瞬間にガッツポーズ。「8番・三塁」でプロ初先発し、第1打席でプロ初安打初打点となる中前2点適時打を放ってみせた。

 この日は菊池涼がコンディション不調のためベンチを外れたこともあり、前カードの中日戦から大幅にメンバーを入れ替えた。

 岡本和3億、丸4・5億、ポランコ2・5億…。この日、巨人のスタメンに名を連ねた9人の推定総年俸は12億5200万円。一方、若手主体の広島は、丸一人の年俸にも満たない3億2680万円。その差は9億2520万円だ。それでも気後れすることなく、“巨大戦力”に挑み、圧勝してみせた。

 矢野は試合前、菊池涼から「緊張するのは当たり前だけどミスしたら仲間がカバーしてくれる。思い切ってやれ」と声を掛けられ、気持ちが楽になったという。失敗を恐れずに立ち向かう勇気をくれた先輩からの言葉に強く背中を押された。

 2度目のスタメン出場だった中村健は、初回のチャンスに左中間へ適時二塁打を放ち、プロ初打点をマーク。2安打1打点と存在感を示した。「出場機会が少ないのは、チーム状態が良い証し。役割分担がなされているので、そこに良い形で食い込んでいけたら。いい意味で、うれしい大誤算を僕が生んでいけるように頑張りたい」と汗をぬぐった。

 五月晴れの下、今季最多得点でつかみ取った5月最初の勝利は、チームを再び上昇気流に乗せる。首位巨人との差も1・5ゲームに縮めた。佐々岡監督は「(若い選手が)起用に応えてくれた。初回の攻撃は素晴らしかった。またあした。前回巨人にやられているので、やり返したい」と、敵地で食らった3タテのリベンジを誓う。選手も同じ思いを胸に抱きグラウンドに立つ。

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