カープ4年ぶりセ界一へ充実、可能性十分 石原氏が春季キャンプ総総括
佐々岡監督勝負の3年目を占う春季キャンプは28日、打ち上げを迎える。投手、野手ともに課題を持って臨んだこのキャンプで見えてきたものは…。日南、沖縄と足を運んで“カープの今”を体感してきたデイリースポーツ評論家・石原慶幸氏が総括する。
全体として感じたのは「いいキャンプが送れているな」という手応えです。広島4年ぶりのリーグ制覇へ、十分な可能性を感じさせるキャンプでしたね。
明るい話題の一つが、床田投手です。日南での1次キャンプからいいボールを投げていたんですが、沖縄入りしても好調を持続。19日、巨人との練習試合でもしっかりと結果を残して、佐々岡監督からローテ入り確定のお墨付きをもらいました。
大瀬良、九里、森下各投手に続く先発として名を連ねた床田投手は、すごくいい表情でキャンプを過ごしていましたし、それが結果に表れて、本人にも、チームにもさらに覇気をもたらしました。
こうなるとあと1つか2つのローテ枠も、高橋昂君、遠藤君、小林君、玉村君、新人の森君あたりで争うことになります。非常にレベルの高い競争となる分、楽しみも大きいですね。
さらに今季から延長12回制に戻されます。これは抑えの栗林投手につなぐまでの、中継ぎをどうやりくりするか。非常に大切になります。これまで実績を残しているピッチャーに加えて、黒原君、松本君の新人まで含め、勝ちゲームにどのメンバーを使っていくのか。
黒原君の真っすぐ、松本君の投手としての総合力も、十分通用すると思います。ここの競争も目が離せません。
野手に目を向けると、菊池涼選手、会沢捕手が中心となっていくでしょうが、それ以外はどういう形で開幕を迎えるのか、最後まで分かりません。こちらもそれくらいし烈な競争が待っていますね。
目を引いたのは、菊池選手の姿です。若手に交じって、率先してノックを受け、他の選手にアドバイスする姿が日南、沖縄を通じて見られたことはとても素晴らしいことと感じました。
そうした先輩たちの配慮もありつつ、でも新人の中村健、末包両選手の伸び伸びした姿勢もいい。
普通、新人は遠慮して「声出せ!」なんて周囲に促されるものですが、この2人は率先して声を出してムードを高めてました。さすがは社会人出身です。加えてどちらもよく通る“ええ声”なんですよ。
これまでも明るいチームでしたが、ムードメーカーの上本君、羽月君のコンビに、さらに2人の“戦力”が加わって、いよいよ盛り上がっていましたね。
もちろん、ここまでカープを支えてきた選手たちも黙っていないでしょう。すごくいいキャンプになりました。ここからは投手も野手も、レギュラー争いが本格化します。オープン戦でどんな結果を出すのか、楽しみですが、ひと言だけ付け加えたいと思います。
「全員、頑張れ!」
(本紙評論家)