カープ遠藤「しなやか」に逆襲宣言 勝負の5年目は“初心フォーム”に回帰

 広島の遠藤淳志投手(22)が18日、しなやかな腕の振りを取り戻し、巻き返すことを誓った。15日から始まった合同自主トレ前までは広島市内のジムで体の使い方などを見直し、フォームの改善を図ってきた。スピードガン以上にキレがある直球を復活させ、2試合の登板に終わった昨季の悔しさを晴らす。

 5年目のシーズンを前に、遠藤が取り組んだのは初心に立ち返ることだった。長所はしなやかな腕の振りが生み出すスピンの効いた直球。その武器を取り戻すため一からトレーニングを開始した。

 「昨年は体が元気だったのに全然ボールの力というか、走りが悪かった。そこをもう一度見つめ直してやってみようかなと」

 15日から始まった大野練習場での合同自主トレ以前は、広島市内のジムでトレーニングに明け暮れた。体幹を鍛え、ウエートトレで下半身を強化。キャッチボールではフォームを撮影した動画を用い、イメージと実際の体の動きが一致しているかどうかを細かくすり合わせた。

 「立った時のバランスだったり、胸郭の開きを出して、柔らかさというかムチのように投げられるように。バランスのいい感覚で投げるというのをテーマにやっていました」

 悔しい結果が原点回帰につながった。昨季の先発は4月中の2試合のみで、いずれも四回までにKO。0勝0敗、防御率6・75だった。シーズンを通し「『いい感覚で投げているな』というのがあまり試合の中で無かった」。秋季練習中の紅白戦も3回5安打2失点と精彩を欠いた。

 オフを迎え自己分析。下半身の粘り強さを欠いたことで、地面から受ける力を指先に伝えられなかったり、体が前に突っ込むことで胸を張る前に腕を振っていたりしたことがわかった。

 「初心を忘れず、できていたところも思い出しながら。柔らかさは人よりあると思う。そこをどう使うか」。しなる腕が遅れて出てくることで、球速以上に見える直球復活を目指す。

 合同自主トレを共にするドラフト1位・黒原(関学大)は99年生まれの同学年。「いい刺激をもらいながら、切磋琢磨(せっさたくま)し合えるように頑張っていければ」と表情を引き締めた。プロ入りは自身が4年早い。負けられない思いはもちろんある。

 20年にはプロ初完投を含め5勝を記録した。昨季の悔しさを新たな力に変えて臨む今季だ。「もう一回巻き返せるように」。22歳は力を込めた。

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