沢村賞を目標に掲げる広島・森下に北別府氏が注文「四球と被本塁打に注意」

 広島・森下暢仁投手(24)が来季の目標のひとつに沢村賞の獲得を掲げている。同賞の選考委員でもあるデイリースポーツウェブ評論家の北別府学氏は「実力的に大いに狙えるが、今年増えた四球の数を絶対に減らさないといけない」と語り、挑戦意欲を歓迎する一方で注文もつけた。

  ◇  ◇

 森下は来季の個人的な目標として、最優秀防御率のタイトル獲得と同時に沢村賞にも意欲を燃やしているようだね。実力的には申し分ないし、大いに狙ってほしいと思う。

 まず防御率だけど、今年は2・98で昨年の1・91を成績的に大きく下回ったね。

 新人だった昨年と違い、今年は相手チームも森下への攻め方が分かり“待ち球”に変化が見られた。

 慣れと研究の結果だろうが、森下の攻め方は昨年と同じだったため、タイミングを合わされバットに当てられていた。

 そして四球。昨年の与四球率2・35から2・87へ悪化した。

 彼の長所はカウントが悪くなっても簡単に歩かさないところなのだが、今年はこの四球が少し増えた。走者を背負うとそれだけ失点の機会が増えるわけだから、絶対に減らさないといけない。

 今年は被本塁打も6本から16本へ増加。試合数も増えてはいるが、「あれっ」という感じの意外なホームランが目立っていたね。これも改善してほしいところ。

 とはいえ森下は日本代表のメンバーに選ばれるほどの投手。シーズン成績は8勝7敗。防御率も悪くなっているとは言っても4位なのだから、最多勝も含めタイトル争いには十分加わる力はもっている。

 最も活躍した完投型先発投手に贈られるのが沢村賞。この賞に関しては最近、分業制が確立していることもあり、完投数への評価は以前ほど厳しくない。

 イニング数についても、球界全体の傾向として1週間に1度の登板が主流になっているため、なかなか投球回数が増えていかない。だから今はクオリティ・スタート(6回以上自責点3以下)を参考にしている。

 でも、やっぱり1イニングでも長く投げるスタミナは不可欠。その方が勝ち星を手にする可能性が圧倒的に高まるからね。

 さらに言うと、勝ち星に対してどん欲になった方がいい。何も考えずに投げるより“月2勝”を最低限の目安に、あとは星を積み上げていく。

 個人の目標は大事。それが重なり合ってチームの目標である優勝へつながっていくわけだからね。

 まずチーム内にライバルがいれば、その選手を追い抜いていく。トップに立つまでね。次は外にライバルを見つける。そうやって自分を高めていけば、球界で唯一無二の存在になれるはず。それほどの素材なんだから。

 そう言えば、森下はオフの自主トレを大瀬良に頼み込んで一緒にやるらしいね。ということは“まだ先輩の方が上”と思って何かを吸収したいと考えているのだろう。

 これからは一刻も早く、大瀬良をライバルと思えるだけの自力をつけること。それが自身のレベルアップを早めることにもつながっていく。そういう関係性は監督も大歓迎だろうしね。

 チーム内には大瀬良のほかに今年、最多勝のタイトルを獲った九里もいる。3人とも沢村賞を狙えるだけの実力がある。頼れるカープの強力3本柱。来年が楽しみだね。

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