カープ坂倉5000万円更改で正捕手誓う 「勝ちたいんです、捕手で」

 広島の坂倉将吾捕手(23)が7日、マツダスタジアムで契約更改交渉に臨み、3200万増の5000万円でサインした。今季は132試合に出場し、打撃成績でいずれも自己最多を記録。打率はリーグ2位の・315を残した。今季は一塁でのスタメン出場があったが、捕手へのこだわりを強く持つ。来季は正捕手を奪い、マスク越しに勝利の味をかみしめる意気込みだ。(金額は推定)

 充実感いっぱいだった。赤いネクタイを締めて会見に臨んだ坂倉は、時折表情を崩す。3200万増の5000万円で来季の契約を更改。納得の約2・8倍でのサインだった。

 「正直、ここまで出たことがなかったので、どのくらい上がるのかとか分からなかった。本当に高く評価していただきました」

 打線の中軸を任され堂々の成績を残してみせた。132試合に出場しプロ初の規定打席に到達。打率は首位打者に輝いた鈴木誠に次ぐリーグ2位の・315をマークした。12本塁打、68打点。いずれも自己最多を記録。飛躍のシーズンだった。

 鈴木誠らと繰り広げた首位打者争いの重圧は大きな財産になった。サヨナラ3ランを放った9月7日の中日戦で規定打席に到達し打率・332。一気に打率トップに躍り出た。だが、その後は26打席で快音なしに陥った。

 「一度リーグトップに立ってすごいところまで落ちました。ずっと良いわけではなく、大きな波も経験できた」。会沢、鈴木誠、西川らに助言を求めながらも克服したスランプ。不調の時期が長かった分だけ、乗り越えたときに得たものは大きく、その後のシーズンにつなげた。

 打力を買われ一塁でもスタメン出場した。さらに出場機会を増やすため秋季練習では三塁でノックを受けた。試合で得られる経験値の多さを実感した1年。それでも捕手としてのこだわりを誰よりも強く持つ。来季は正捕手奪取を目指す。

 「僕の中ではやっぱり捕手で出たい。1試合かぶって、マスクを取ってあそこ(マウンド)に集まるのは、何にも代えられないもの。こだわりたい」

 捕手としては54試合でスタメンマスクをかぶった。チームの白星が24に対し、黒星は27で引き分けは3だった。「キャッチャーとしてもチーム最多で出て負け越している」。唇をかんだ。悔しさを成長の糧としないわけにはいかない。

 会見の最後を、こう締めくくった。「勝ちたいんです、捕手で。そこだけです」。会沢という高い壁に挑んでいく-。その決意を言葉に変えた。

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