広島・中崎 復活間近150キロ 林を野間を広輔をねじ伏せ2回無安打無失点

マウンド上で躍動する中崎(撮影・山口登) 
マウンド上で躍動する中崎(撮影・山口登) 
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 「広島紅白戦、紅組5-2白組」(10日、マツダスタジアム)

 広島の中崎翔太投手(29)が10日、紅白戦に登板して2回無安打無失点と好投した。17球中15球が直球で、最速150キロを記録するなど、力で打者をねじ伏せた投球には復活の兆しがあった。秋季練習は来春の1軍キャンプ参加選手の選考も兼ねている。16~18年の3連覇を成し遂げたときの守護神が、3年ぶりの1軍キャンプへ大きく前進した。

 冬空の下で、中崎はいつも通り半袖姿でマウンドに上がった。5球の投球練習を終えると、呼吸を整える。勝負のとき。自分の投球をすることだけを意識して腕を振り、最高の結果を残してみせた。

 「力強い真っすぐに取り組んできた。しっかり腕が振れたので良かった」

 五回に出番がきた。林を三飛に打ち取り石原は右飛に。続く大盛には、初球の直球でこの日最速となる150キロを記録するなど、左飛に抑えた。

 回をまたいだ六回も球威は衰えず、野間、田中広らをねじ伏せる。17球中、変化球は2球だけ。力勝負を挑んだ2回を無安打無失点で締めくくった。

 途中参加した10月の「みやざきフェニックス・リーグ」でも状態は良かった。佐々岡監督は「フェニックスでも球の強さが良いと報告があった。きょうもしっかり腕を振り、球に強さがあったね」と目尻を下げた。

 16~18年に成し遂げた3連覇時の守護神は、今季も苦しんだ。交流戦で1軍に昇格したものの、4試合で2軍へ降格。そのままシーズンを終えた。

 「チームが負けて悔しさを感じていたけど、その悔しさの中にも入れなかった。自分自身に対して何をやっているんだ、っていう怒りもありました」

 来季こそチームのために-。その一心で練習に打ち込む。筋力トレーニングでは「悪い姿勢で負荷をかけても意味がない。そういうところの矯正をした」。力強い直球を取り戻すため、細部にまでこだわる。流してきた汗がようやく実を結び始めてきた。

 19年オフには右膝を、20年9月には右上腕部の手術を受けた。その影響もあり、春季キャンプは2年連続2軍スタートに。13日からの第2クール中に実施される紅白戦にも登板予定だが、この日の快投で3年ぶりの1軍春季キャンプを視界に捉えた。

 「明らかに腕が振れていると自分自身でも思っていますし、外から見ている人からもそういう風に言ってもらえる。そこが一番です」。磨きをかける直球。復活のときへ、その軌道のように、力強く真っすぐ進んでいく。

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