広島・今村猛の戦力外通告に北別府氏絶句「もう少しやれると思っていた」
広島は今村猛投手(30)ら6選手に戦力外通告を行った。デイリースポーツウェブ評論家の北別府学氏は「今村はまだ30歳。もう少しやれると思っていた」と語る一方、「ストレートへのこだわりを捨てきれなかった」ことを残念がった。
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今村戦力外。このニュースを聞いた時は、「えっ」と思った。
まだ30歳だから年齢的にも、もうひと働きできる、もう少しやれると思っていただけに意外であり、本人の気持ちを思うと残念でたまりませんね。
リリーフ投手として頑張っていたし、特に3連覇の時は、セットアッパーや中崎が戦列を離れたピンチには抑えもやって、大活躍だったよね。
球種はあまりなく、球持ちも長くなかったけど、スピードと球のキレで勝負するタイプだった。打者は結構、詰まらされて、ポコンと打ち上げたりしていた。
いつも無表情で、ひょうひょうと投げていたのが印象的だったけど、内面は熱い闘志を持っていると思わせるだけの投球内容を見せてくれていたね。
しかし、今年は1軍で1試合も投げていなかった。1軍のゲームに出る機会がありながら、2軍で調整しているのならいいのだが、まったく1軍へ上がらなかったことで本人もある程度、感じていたかもしれない。
惜しいと思うのは、最後までピッチングが変わらなかった点。投手は直球のスピードが落ちてくると、少しずつ変化球を覚えて、いい意味で“変身”を図るものだが、彼はストレートへのこだわりを捨てきれなかったように思う。それが残念だね。
中村恭平も戦力外通告を受けてましたね。ほかに鈴木寛人、行木俊(育成で契約する方向)、佐々木健、畝章真も。
全員投手だね。先日行われたドラフトで、即戦力投手3人を指名したことも関係しているのかな。
今年のルーキー栗林、森浦、大道の3投手が、しっかり戦力になったということも事情としてあるんでしょうね。
毎年、この時期は、プロの世界の厳しさを痛感させられる。
中村恭平は、あれだけのスピードボールがありながら“ようやくコツを覚えたかな”と思ったら、次の年にまた忘れてる。その繰り返し。
いいカーブを持っているし、右打者の内角へのカットボールもいい。
素晴らしい球で追い込んでいるのに打たれる。突然四球を出す。大事なのは追い込んでから、いかにボール球を振らせるか。
彼は現役続行を希望していると聞いているし、何とかこの“課題”を頭に入れて、再挑戦してほしい。
今村はどうするのだろうか。選手の身の振り方はそれぞれだろうが、特に若い人たちはこれから先が長い。新たな針路を納得した形で決めてほしいね。それが最良の選択であることを願ってます。