カープ九里 原点回帰で初の2ケタ星へ シンプルにストライクゾーンで勝負
29日・阪神戦(甲子園)での先発が濃厚な広島の九里亜蓮投手(30)が27日、虎退治で初の2桁勝利を手繰り寄せると意気込んだ。王手をかけて以降、2試合連続で5回持たずにKO中。ストライクゾーンで勝負するという原点に立ち返り、三度目の正直で節目の白星を手にする。
持ち味を発揮することが勝利への近道だ。九里は不本意な結果に終わった過去2戦を振り返り、原点回帰を決意した。腕を振り、ストライクゾーンで勝負する-。シンプルな考えで甲子園のマウンドに向かう。
「もう一度、しっかりゾーンの中で勝負していけるように。まずは自分の投球を表現するのが一番です」
10勝に王手をかけてから足踏みが続いている。9日の中日戦は4回1/3を5失点(自責点4)。22日の巨人戦は今季最短となる2回2/3で7失点(自責点5)KOされた。
「悪い時は四球で走者をためて打たれる」。2試合で計7四球。いずれの試合も四球からリズムを崩し、失点につながった。
今季の阪神戦は2戦2敗、防御率9・00と相性は悪い。勢いに乗ると止められない阪神打線は、わずかな隙も見逃してはくれない。
だからこそ強い気持ちを持ち、信条である攻めの投球を貫く。大山、マルテ、サンズら一発がある打者に対しても「逃げるのではなく、勝負した中で結果が出るような投球をしたい」と力を込めた。
チームのために粘り強く、長い回を投げ抜くことも自身に課す。「しっかり腕を振って一人一人と勝負する。最終的に良い結果につながればいい」。初の2桁勝利へ3度目の挑戦。笑顔でゲームセットの瞬間を迎える。