カープ浮上のカギは機動力 安仁屋氏「1番・野間が仕掛けてチームに走塁の意識を」

 後半戦に入ってもなかなか波に乗れないカープ。打線は34イニング連続無得点を喫するなど得点力不足も払しょくしきれていない。デイリースポーツ評論家の安仁屋宗八氏(77)は得点力を上げるためにももっと足を使った攻撃を仕掛けていくべきだと指摘する。

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 ここまでチームの盗塁数はリーグ5位の44個。今季、河田ヘッドコーチが復帰し「足を使った攻撃を取り戻す」という触れ込みの割には寂しい数字だ。シーズン序盤にけん制死することが多かったため、選手もサインを出すベンチも消極的になってしまっている部分もあるだろう。

 21日のヤクルト戦の三回、今後の指針となる場面があった。一走の野間、打席に西川の場面でヒットエンドランを仕掛けた。西川は空振りしたが、野間が盗塁成功。これが得点につながり、さらにこの回、畳みかけるようにアウトになったが小園も盗塁を試みた。

 こういう足を使った攻撃が今季のカープは欠けていた。残塁数が多いのもそう。四球や安打で走者を出しても打者頼みの攻撃なので結局、打者が打てないと残塁の山だけが残ってしまう。今後はヤクルト戦で見せたような機動力を積極的に使っていくべきだ。適切な言い方ではないかもしれないが、来季を見据えて今のうちからどんどんチャレンジしてほしい。試合で経験することでスタートを切るタイミングや投手との間、リードの距離感なども磨いていくことができる。失敗を恐れてはいけない。

 ここにきて足のある野間が1番に定着したこともチームにとってチャンスだ。打撃の調子が良く、出塁率も高い。盗塁、エンドラン、セーフティーバントなど、どんな野球にも対応できる選手だ。野間が先頭に立って仕掛けていくことで、チーム全体に「走塁への意識」を植え付けていってほしい。

 3連覇した時は田中広が1番に座って相手を揺さぶり、チーム全体に機動力の意識が浸透していた。初心に戻って、あの頃の野球をもう一度取り戻すことが低迷から抜け出す大きなカギになる。

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