カープ中村奨成 本拠地初弾で反撃のろし 自身の2軍落ち危機も吹っ飛ばした

 「広島3-3DeNA」(7日、マツダスタジアム)

 広島の中村奨成捕手(22)が本拠地初本塁打となる2号ソロを放ち、チームを価値あるドローへ導いた。6月19日・DeNA戦以来の一発で、3点ビハインドの苦境から打線を奮起させた未完の大砲。代打で放った16打席ぶりの安打は自身も2軍落ちの危機を吹き飛ばすアーチとなり、ここからさらに状態を上げていく。

 快音を響かせた打球がバックスクリーン左に吸い込まれると、球場に詰めかけた1万4414人のファンから温かい拍手が送られた。さっそうとダイヤモンドを一周し、ナインとハイタッチを交わした中村奨。地元・広島でうれしい本拠地初本塁打を放ち、満面の笑みを浮かべる。

 「上からたたくことだけを考えて、割り切って打席に入ることができました。越えてくれという思いでしたが、入るとは思いませんでした。まず1点かえすことができて良かったです」

 3点ビハインドの六回だった。先頭・九里の代打で登場するとマツダスタジアムが沸く。その空気に後押しされるかのように、カウント1-1から今永の高め直球を力強く振り抜いた。

 プロ1号を放った6月19日・DeNA戦(東京ドーム)以来、16打席ぶりとなる安打が反撃ののろしを上げる2号ソロ。このアーチに味方打線が奮起した。続く七回に主砲・鈴木誠が13号ソロを放ち、1点差まで詰め寄った。

 そして八回、1死二塁から菊池涼が右前適時打を放って追い付いた。勝ち越すことはできなかったが、3点差を追い付く価値あるドロー。その機運を作ったのは、間違いなく中村奨の一撃だ。

 プロ3年間ではわずか4試合の出場にとどまった中、チームがコロナ禍に見舞われた中で巡ってきたチャンスを生かした。プロ初安打、プロ初本塁打、順調に階段を上がっていくかに思われたが、一流の舞台はそう甘くはなかった。

 結果が出なければおのずと出場機会はライバルに奪われる。6月26日・中日戦でスタメン出場したのを最後に、ここ最近は代打、代走での起用が続いていた。2軍降格の可能性もちらついていただけに、自身にとっても逆境で放った一撃だ。

 5日に休日返上練習を行った際には、「レベルアップしたいと思っているし、チャンスを何とかものにしたい。期待に応えていきたい」と力を込めていた背番号22。チームをドローに導いた一撃が、ぶち当たっていたプロのカベを突き破るきっかけになるかもしれない。

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