広島・ドラ3大道、プロ初先発で5回“ノーノー” オリックス・山本と互角の投げ合い

 「オリックス4-0広島」(11日、京セラドーム大阪)

 やるじゃないか-。誰もがそう思ったはずだ。広島のドラフト3位・大道温貴投手(22)=八戸学院大=がプロ初先発。七回まで完全投球だった同級生のオリックス・山本に劣らぬ5回無安打無失点を見せた。だが、チームは3安打完封を許して、セ・リーグで“一人負け”。5連敗で3年連続の交流戦負け越しが決定し、借金は今季ワーストの10となった。

 世代を引っ張るリーダーですから-。プロ初先発が、同級生のオリックス・山本との投げ合いとなった大道は、むしろ「感謝」と口にした。世代どころか、球界を代表する剛腕が相手だ。「次元が違う」と見ていた。ただ、負ける気はさらさらない。

 一回。楽々、三者凡退の山本に対し、大道は福田、吉田正に四球を与えて1死一、二塁と早々にピンチを迎えた。しかし、ベンチを不安がらせたのは、ここまでだった。

 2日前、エース・大瀬良にもらったアドバイスがよみがえった。「中継ぎの時と、ピッチングスタイルは変えなくていい」。ここまで17試合、結果を残し続けた。ここでも「先を見ないで」と打者に集中。T-岡田を変化球で二飛。安達を直球で押し込んで二ゴロと無失点で切り抜けた。

 そして二回1死から杉本に投じた4球目、キレのいい直球を内角へ投げ込んだファウルでバットをへし折ると、「今日の生命線が見えた」と、完全に落ち着きを取り戻した。以降は山本に勝るとも劣らない安定感抜群の投球を披露した。

 二、三、四、五回と三者凡退の応酬。広島打線は山本の自在の投球の前に、二回無死から6人連続三振を喫した。しかし、大道も負けていない。五回にはモヤ、杉本、そして伏見からいずれも違う球種で3者連続三振を奪ってみせた。敵地のマウンドで、躍動してみせた。

 いつまでも見ていたい、若武者同士の究極の投手戦。ただ佐々岡監督は「ここまで最長は2回だから」と、初先発の重荷も考え5回で降板させた。無安打無失点。上々どころか、“特上”の先発デビューだ。

 七回には救援陣が崩れた。連敗は5に伸び、借金も今季ワーストの10となった。そんな負のデータが、なぜか今日は気にならない。「できすぎかな」とは本人。「ナイスピッチングだったからね」とローテ入りの可能性も示唆した佐々岡監督。山本と堂々渡り合った新人の前途が、楽しみで仕方ない。

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