「オープン戦、ヤクルト０－１１広島」（１７日、神宮球場）

　存在感が際立っていた。広島・鈴木誠が「４番・指名打者」として３試合ぶりにスタメン復帰し、１安打２四球２得点だ。チームはオープン戦初となる２桁１１得点。攻撃の導火線に、背番号「１」が大きな火を付けた。

　「もう大丈夫です」

　先頭で打席に立った二回は左前打で出塁。無死一、二塁から松山の右前適時打で生還した。主砲がコンディショニング不良で欠場した２試合は、いずれも完封負けを喫した。主砲のバットをきっかけに生まれた、１９イニングぶりの得点だった。

　三回も再び先頭打者として打席へ。選んだ四球を起点に下位打線までつながり、一挙４点を奪った。

　この試合前までチーム打率は１２球団ワーストの・１９１と低迷していた。鈴木誠の復帰により打線が爆発。佐々岡監督は「本人が『体調も全然、良い。出られる』ということだったのでね」と、胸をなで下ろし目尻を下げた。

　チームは得点力アップを目指し３～５番の並びを複数、試してきた。それでも鈴木誠が攻撃陣の中心であることは不変だ。背番号「１」は「ケガをしないように、ということだけですね」と前を向く。１９日からのソフトバンク３連戦で最後の準備を整え、３・２６の開幕へ向かう。