広島・鈴木誠を侍4番に 稲葉監督が構想初めて伝えた

広島キャンプを訪れ、鈴木誠(左)と談笑する侍ジャパン稲葉監督(右) 
シート打撃の打席に立つ鈴木誠
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 「広島春季キャンプ」(7日、沖縄)

 野球日本代表「侍ジャパン」の稲葉篤紀監督(48)が7日、沖縄の広島キャンプ視察に訪れ、東京五輪では鈴木誠也外野手(26)を4番で起用する構想を初めて本人に伝えた。指揮官から大きな期待を寄せられた日本の主砲は金メダル奪取を頭に描き、3年ぶりの覇権奪回を目指すシーズンを全力で戦っていく。

 午後2時半過ぎ。稲葉監督が三塁ベンチ付近に姿を見せると、鈴木誠は帽子を取って深々と頭を下げた。会話を交わしたのはわずか数分間。それでも指揮官から激励の言葉を受けると徐々に緊張が解け、次第に表情は笑顔へと変わった。

 稲葉監督は「誠也(鈴木)は私の中で4番候補という構想があった。そういうことも本人には伝えさせていただきました。もちろんシーズンが一番大事なので、いい調整をして、いいシーズンを送ってもらいたい」とエール。初めて本人に東京五輪では4番で起用する方針を固めていることを伝えた。

 2年前のプレミア12では侍ジャパンの4番として世界一に貢献。全試合で4番を務め、打率、本塁打、打点の3冠でMVPに輝いた。昨年のデイリースポーツのインタビューでは東京五輪での金メダル獲得に意欲を示しており、「選んでもらえるなら絶対に行きたい。日本のために頑張りたいというのは思います。他国のチームには負けたくない」と闘志を燃やしていた。

 この日の打撃練習でも快音を響かせた。野手キャプテンとして迎える今キャンプでは新たな打ち方を試したり、新助っ人のクロンに打撃指導を行うなど、主将としての自覚と責任を持ちながら声を張り、精力的に汗を流している。

 挑戦し続ける姿勢に稲葉監督は「選手は日々進化ですよ。毎年これでいいというものはないでしょうし、いろんなことを追い求めて、もっとうまくなってやろうという気持ちを常に野球を終えるまで持ち続けるのは大事。どういう成長を見せてくれるか楽しみ」と大きな期待を寄せた。

 結果のみだけでなく、日本代表として野球と向き合う真摯(しんし)な姿勢も評価された。稲葉監督と談笑しながら「頑張ります」と決意表明した背番号1。広島の4番から日本の4番へ-。オリンピックでの金メダル獲得を視野に充実のキャンプを過ごし、開幕に向けてギアを上げていく。

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