広島・大瀬良 決意のブルペン一番乗り!手術明けで異例の初日いきなり!
「広島2軍春季キャンプ」(1日、日南)
広島2軍は宮崎県日南市の天福球場でキャンプインした。昨年9月の右肘手術から復活を目指す大瀬良大地投手(29)は、決意のブルペン一番乗り。8割の力で直球のみ25球を投げた。手術明けを考慮されて2軍スタートとなったエースが、初日から復活に懸ける意気込みを体現した。
新たなシーズンに向かう気迫が、静けさを熱気に変えた。大瀬良を突き動かしたのは、エースとしての自覚と使命感。キャッチボールを終えると、足早にブルペンへ向かった。
「一番に入りたいと思って入らせてもらった。『今年一年やるぞ』という気持ち、今年に懸ける思いを表現したいなという思いで行った」。昨年9月の右肘手術から復活への第一歩には、右腕の思いが凝縮されていた。
ワインドアップから放たれた白球が、勢いよくミットに吸い込まれていく。全て直球で25球。「やっぱりユニホームを着ると、思っている以上に力が出てしまうので“腹八分目”というか、セーブしながら。それでいいボールがいっていた」と納得顔で振り返った。
1月の自主トレ中に捕手を座らせたブルペン投球は行っていた。しかし、通常でもスロー調整を容認される実績を持つエースが、手術明けのキャンプ初日にブルペン入りすることは異例だ。
投手キャプテンとしてのメッセージでもあった。「どう感じるかは、それぞれ次第だと思いますが、何かそういう姿を見て感じてくれる子が一人でもいれば」。次世代を担う投手たちへの思いを込めたブルペン一番乗りだった。
ただ、決してオーバーワークではない。「今のところ不安なく、どんどん状態を上げていけるんじゃないか、という手応えを感じている」と右肘の具合は良好だ。小林2軍投手コーチも「手術後を感じさせない入りだった」と明るい表情。今後は右肘の状態を見ながら判断していく。
今年からユニホームの胸にCマークがついた。「例年のユニホームの重さより、ズシッと重さを感じます。より責任を持ってやっていきたい」と背筋を伸ばす。開幕投手も狙うエースは、自覚も胸に完全復活を目指す。