【佐々岡カープ誤算と収穫3】ルーキー森下の活躍に遠藤も急成長 野手は大盛出現

 広島は覇権奪回を目指し、佐々岡新体制で臨んだ2020年は52勝56敗12分けの借金4で5位に終わった。首位巨人とは13ゲーム差。接戦を勝ち切れなかった一年だったが、シーズン最終盤には粘り強さで白星を重ねた。今季の誤算と収穫を3回にわたって連載する。最終回の3回目は若手が台頭した収穫を検証する。

  ◇   ◇

 佐々岡カープ1年目の収穫は、多くの若手が1軍舞台を経験したことだ。投手では、ルーキーながら10勝、防御率1・91の好成績を収め、新人王が確実視される森下を筆頭に、育成から今季支配下登録を勝ち取った藤井黎、2年目の田中法らが続々とデビューを果たした。

 中でも大きく飛躍したのは、3年目の遠藤だ。今季先発ローテに抜てきされ、立ち上がりに失点する試合が続いたが、将来性を見込む首脳陣は使い続けた。遠藤は完投した8月2日の巨人戦から約2カ月間勝てない日々もあったが、1軍で活躍する投手の力を肌で感じることができた。その一人、巨人の菅野には「ピンチになったときのギアの入れ方などを学んだ。球界を代表する投手と投げ合えたことは良かった」と刺激を受け、成長の糧にした。今季の成績は19試合5勝6敗、防御率3・87。それでも1年間先発ローテとして投げた経験は、何ものにも代え難い財産となったはずだ。

 また、救援陣では勝ちパターンが決まらない中、塹江が19ホールド、ケムナが11ホールドと結果を出した。シーズン中盤から勝ちパターンとしてマウンドに立ち、厳しい試合を経験。技術的、そして精神的に一回り成長したのは間違いない。

 野手では育成出身の大盛が出てきた。7月24日のDeNA戦で初昇格を果たすと26日の同戦で初安打を記録し、その後も1軍に帯同。秘めた能力は計り知れず、来季も期待できる戦力であることを証明した。また、羽月や林といった2年目野手も続々とデビュー。出場試合数はわずかも、1軍と2軍の違いを感じ取れたことは来季以降につながるだろう。

 佐々岡監督は「若い選手が伸びてきている」と成長を実感している。低迷するチームが生まれ変わるには、やはり若い力が必要不可欠。若手が活躍すればレギュラー陣も尻に火が付き、チーム内の競争力は高まる。指揮官が待ち望んでいるのは、そういった競争意識だ。3連覇を果たした18年から2年連続でV逸。再び強い広島に戻れるか、鍵を握るのは若鯉の飛躍だ。

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