カープ菊池、土壇場で起死回生同点弾 九回2死から!新人王狙う森下を強力援護

 「広島2-2巨人」(3日、マツダスタジアム)

 広島の菊池涼介内野手(30)が値千金の10号同点2ランを放った。2点を追う九回、2死一塁から直球を捉え、右翼席に運んだ。5年連続の2桁本塁打となる一撃で巨人先発・戸郷の9勝目を消し、新人王を争う森下のタイトル獲得を大きくアシスト。チームは引き分けで今シーズンの勝ち越しはなくなったが、王者相手に土壇場で見せた執念は間違いなく、来季につながるはずだ。

 高々と舞い上がった打球が右翼席に吸い込まれると、1万5945人の観客が総立ちとなり、マツダスタジアムの興奮は最高潮に達した。ダイヤモンドを一周し、おどけた表情を見せながらナインに祝福を受けた菊池涼。値千金の一打に「九里が本当に頑張って投げていた。何とか同点につながるホームランになって良かった。風にも助けられました」と表情を緩めた。

 好投を続ける右腕を何とか助けようという思いでバットを振った。打線は今季、2戦2敗と打ちあぐねている巨人先発・戸郷の前に八回まで無得点と抑えられていた。だが2点を追う九回、2死一塁。あと1アウトでゲームセットという崖っぷちの状況で初球、144キロの外角直球を一振りで仕留め、同点のアーチを描いた。

 佐々岡監督は「起死回生というか。最後まで諦めない姿勢がホームランにつながった」とたたえた。これで5年連続の2桁本塁打を記録。10号は戸郷のプロ初完封と9勝目を阻止し、すでに10勝を挙げているルーキー・森下の新人王獲得を大きくアシストする貴重な一発だ。

 「相手も最後のアピールの中で完封を狙ってきたが、みんなで阻止する気持ちがああいう形になった」と指揮官。朝山打撃コーチも「最後の一本で非常にチームもそうだし、新人王を争う森下もそう。九里の負けを消すという意味でも全てにおいて救われた」と称賛を惜しまない。

 攻守でチームに多大な貢献をもたらしている菊池涼。今季はここまで102試合に出場し、失策はゼロ。10月15日の巨人戦(東京ドーム)で和田豊(阪神)が持つ、二塁手としての同一シーズン連続無失策記録(守備機会432)を超えた。

 来季も内野の要を託される中心選手。試合は引き分けに終わったが、九里や森下のために土壇場で追い付いたことに大きな意味がある。3連覇時のカープにあった驚異的な粘り-。「(巨人の)優勝が決まり、もう来季が始まっていると思っている」と指揮官は力を込めた。来季、V奪回を果たすためにも、残り試合を全力で戦い抜く。

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