広島・羽月3打点!高卒2年目若鯉プロ初出場初先発 佐々岡監督「思っていた以上」

 「広島11-6阪神」(7日、マツダスタジアム)

 新星の誕生に、マツダスタジアムが沸いた!広島が今季5度目の2桁得点で阪神に快勝。勝利の立役者となったのは、プロ初の1軍昇格を果たし、「2番・二塁」で即スタメン出場した高卒2年目・羽月隆太郎内野手(20)だ。打っては2安打3打点をマークし、守備でも好プレーで貢献。今季初めて鈴木誠が欠場した中、頼もしい若鯉の台頭がチームの勢いを加速させる。

 トップスピードでダイヤモンドを駆ける身長167センチの背中に大歓声が注がれた。五回、2点三塁打を放った羽月は両手を上げ、ベンチの祝福に応えた。プロ初スタメンで2安打3打点の大仕事。本拠地での1軍デビュー戦で、まぶし過ぎるほどの輝きを放った。

 前日に1軍昇格を伝えられ「きのうの夜から眠れなかった」。それでも先輩から「大丈夫」と背中を押され、同じ二塁を守る菊池涼からは「『困ったら俺の方を見ろ』と言われた」。初回無死一塁のプロ初打席できっちり犠打を決めると、プロ初安打の瞬間は続く二回に訪れた。

 1死一、三塁の好機で1ボールからセーフティースクイズを敢行した。鮮やかに一塁線へボールを転がし、三走・野間が本塁に生還。これが内野安打となり、プロ初安打&初打点をマークした。

 さらに価値ある一打を放ったのは2点差に迫られた五回。2死一、二塁から追い込まれながらも、低めの変化球をうまくバットに乗せた。最後は右手一本で払うようにスイング。打球は前進守備の右翼・福留のグラブをかすめ、フェンス手前まで転がった。

 「覚えていません。バットに当てれば何とかなると思った」。三塁を蹴り、ホームを狙う姿勢を見せるなど、無我夢中で奏でた快音で苦しむ森下を援護。二回には木浪の打球を横っ跳びで好捕した。攻守で躍動した裏には、アクシデントを乗り越えた過去があった。

 3月中旬の2軍練習試合で顔面死球を受け鼻骨を折った。満足に練習メニューをこなせない中でも、肩、胸、足と約1時間半のウエートトレーニングを毎日続けた。

 体は力強くパワーアップし、1軍昇格をつかんだ羽月。さらに18年度ドラフトで同期入団の1位は、同じ高卒内野手の小園。「いい刺激になっていた」とライバル心が若鯉の飛躍を後押しした。

 懸命な努力ではい上がってきたドラフト7位の苦労人が吹き込んだ新たな風。佐々岡監督が「思っていた以上の活躍をしてくれた」と称賛を惜しまなかった男の表情が、お立ち台で初々しく映えた。

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