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開幕戦6勝の北別府学氏 開幕投手の思い語る 末梢血幹細胞移植終え完全復活へ

 新型コロナウイルス感染拡大の影響でプロ野球の開幕が延期となり、2カ月がたとうとしている。開幕投手を9度務めた広島の元エースでデイリースポーツウェブ評論家の北別府学氏が、開幕投手への思いとコロナ禍の開幕投手にエールを送った。今年1月に成人T細胞白血病を公表した同氏は19日、末梢血幹細胞移植を終えた。

 9度の開幕投手はセ・リーグ2位タイ、開幕戦勝利数6はリーグ単独トップ。「開幕男」の北別府氏は、開幕投手について「130分の1だけど、チームにも個人的にも、その勝ち負けが1年を左右する」と、大事な一戦であることを強調した。

 初めて開幕投手を務めたのは、1982年の中日戦だった。「名誉なことだけど、緊張でそれどころではなかった。雨でスライドになってね。前の晩から緊張していたけど、その緊張をもう一晩継続させないといけなかった」と思い出を語った。登板前の苦しさはあったものの、マウンドに上がると3安打三塁を踏ませぬ完封勝利。83、84年も開幕戦で完投勝利を収め、3年連続開幕戦完投勝利は斎藤雅樹(巨人)と並んで今もセ・リーグ記録として残っている。

 開幕日は特別だった。「野球選手にとっては元日みたいなもの。鯛の尾頭付きと赤飯が食卓に並んでいた。緊張で食欲はなく、まあ儀式みたいなもんだったかな」と振り返る。ゲン担ぎも「自宅から球場までは、前の年に勝率が良かった道を通るとかしていた」と話した。

 80年代、カープ投手王国時代にエースを守ってきた。「ケガがないときは自分が行くものだと思って、キャンプから調整していた」と常に開幕投手を意識していた。

 だからこそ言えることがある。「開幕戦はピッチャーも緊張してるけど、野手も緊張している。お互い緊張でガチガチになっているのは条件が一緒ということ。甘い球をファウルしてくれたりもする。野手がリラックスしてくる第2戦、3戦に先発するより投げやすかった」。相手投手もエース級が先発するが「開幕戦に限らず相手投手のデキを見て2点勝負、3点勝負と計算して投げればいい」とサラリと言った。

 そんな北別府氏もコロナ禍で開幕が延期となる今年の開幕投手には「私も経験ないんで…。ただ、難しいことは確か」と、調整の難しさを強調した。広島は昨年に続き、大瀬良大地選手の開幕投手が濃厚だ。「開幕を目指して自主トレ、キャンプ、オープン戦と調子を上げてさあという時に延期。一度は4月24日を目標にしてまた延期でしょ。今は自主トレ期間みたいなもので、自動車に例えるなら今はアイドリングしてエンジンを切っているような感じだと思う」と大瀬良の気持ちを代弁した。

 先日の代表者会議、オーナー会議で開幕日は6月19日を最短の目標とすることが確認されたものの、コロナウイルス感染状況次第では開幕日が変わる。「やるべきことをやってこれがベストと思ってスタートできるか、わけが分からないうちにスタートするのか、そのあたりの気持ちの問題もある」と指摘。加えて開幕戦は無観客試合が濃厚で「緊張感が和らぐ可能性もあるが、盛り上がりに欠けることもある。いずれにしてもいつものシーズンとは違う」という。

 そんな状況の選手に「のちのちの野球人生において、こういう貴重な経験ができたと考えて戦うしかない。1回始まれば気分も変わる。スタートをうまく切れるようにしてほしい」と願った。

 後輩たちが活躍する姿を願う北別府氏は、自身も完全復活に向け治療を続ける。

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