誠也大暴れ!2発3安打5打点 早くも“2冠”三冠王夢じゃないぞ!

 「広島10-3阪神」(6日、マツダスタジアム)

 広島・鈴木誠也外野手(24)が今季初の1試合2本塁打を含む3安打5打点の大暴れ。三回に先発・岩貞から2ラン、さらに六回は3番手・尾仲から3ランを放った。本塁打と打点の両部門でリーグトップに立ち、現在“2冠”。打率も・400と三冠王も夢ではない。主砲のバットに引っ張られ、11安打10得点で快勝。連敗を2でストップした。

 鈴木が真っ赤に染まったスタンドの度肝を抜いた。5点リードの六回だ。1死一、三塁から尾仲の直球を振り抜くと、打球はすさまじい弾道を描いて左中間席へ。「床田がしっかり投げてくれていたので少しでも援護できればいいと思っていた。いい結果になって良かったです」。ダメ押しとなる5号3ランで床田の復活星を後押しした。

 1点リードの三回には左翼席へ、先発岩貞から滞空時間の長い4号2ラン。「当たりも良かった。甘い球をしっかり振り抜けた」。2試合連発と1試合2発はいずれも今季初だ。5本塁打と12打点はリーグ単独トップの“2冠”。打率もリーグ5位の・400と上昇し、初の三冠王へ突き進む勢いだ。

 量産中の本塁打は驚異の89発ペースだが、鈴木は「ホームランは狙っていない。ヒットの延長」と言い切る。「その時その時で感覚もやることも変わる」。今年も試合前の早出特打は継続。ホームはもちろん、ビジターでもスイングを繰り返し、さらなる高みを目指している。

 「打撃に波はある。打てなかった時に四球を選んだり、進塁打を打ったり、やることはある。結果が生まれない時に、やることを一つでもできればいい」

 だから数字には一切興味を示さない。打点は「すぐに抜かれる。いっぱいいいバッターがいる」と言い、本塁打のペースも「どうでもいい。そこで勝負していない」。残り4本に迫った通算100号も、「興味はない」とクールに受け流した。

 自分のことよりも、左腕の2年ぶり勝利に花を添えられたことがうれしかった。床田がトミー・ジョン手術を受けた17年、鈴木も右足首にメスを入れた。「ケガをした時も大野(練習場)で一緒にやっていたし同級生でもある。何とか援護したかった」。床田からは「日本で一番頼りになる同級生。すごく頼りになる」と持ち上げられた。

 チームは11安打で今季初の2桁10得点の快勝。借金生活は続いているが、お立ち台で鈴木は「まだ130試合以上ある。心配せず、1試合1試合しっかり戦っていきたい」と声を張り上げた。4番が超満員の鯉党の前で、力強く反攻宣言した。

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