長野 開幕モードだ 9年ぶり左翼「難しかった」 打でも魅せた“マツダ初安打”

 「オープン戦、広島0-13日本ハム」(12日、マツダスタジアム)

 広島・長野久義外野手(34)が六回から途中出場し、移籍後初めて実戦の守備に就いた。プロ1年目以来9年ぶりの左翼で、3度の守備機会を無難にこなすと、七回の打席では“マツダスタジアム初安打”を記録した。シーズン開幕まで2週間あまり。ヒゲを蓄えたチョーさんのギアが上がってきた。

 待ちに待った「左翼・長野」のコールに、大敗ムードのマツダスタジアムが沸き返った。10点ビハインドの六回だ。春季キャンプから慎重に右肩を仕上げてきた長野が、ついに守備へ就いた。巨人時代は右翼と中堅が定位置。9年ぶりとなる左翼からの景色を「全然違ったので、難しかったです」と振り返ったが、そんなブランクはまるで感じさせなかった。

 “初プレー”から魅せた。先頭・松本の打球はいきなり左翼へ。ライナーで長野の正面を襲ったが、危なげなく処理すると、八回は左翼線を破った打球を単打でストップ。九回も中堅・西川が後逸した打球をカバーした。試合中のベンチでは広瀬外野守備走塁コーチと守備位置を入念に確認。11年から3年連続ゴールデングラブ賞に輝いた名手がさすがの貫禄を示した。

 首脳陣も安どの表情だった。「スタートが良かった」とたたえた高ヘッドコーチは今後の守備位置について、「レフトが多くなると思うけど、センター、ライトもできる。可能性はある」と選択肢を広げた。広瀬外野守備走塁コーチも「レフトはほぼ初めてだと思うので、動きを見ながら、ゲームで慣れてもらう」とうなずいた。

 メモリアルな安打も生まれた。七回先頭で打席に立つと、浦野のスライダーに反応。打ち取られた打球だったが、捕球体勢に入っていた遊撃・平沼の前でまさかのイレギュラーバウンド。高く弾んだ白球は中前へ抜けていった。ラッキーな形で“マツダ初安打”を記録し、「シーズン中にほしいですね」と照れ笑いを浮かべた。

 迎打撃コーチが「徐々に上がっている」と評するように、打撃の状態も日ごとに上がっている。巨人時代はスロースターターと呼ばれたが、同コーチは長野の練習姿勢を高く評価。「特打も積極的にやってくれているし、意識は感じている」と10年目で新天地に挑む男の心意気を買った。

 シーズン開幕まで2週間あまり。次段階は左翼での先発出場だ。目標の開幕スタメンへ、チョーさんの存在感が高まってきた。

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