鯉、報徳・小園指名へ 3球団競合なら緒方監督にくじ託した!

 広島は24日、東京都内のホテルでスカウト会議を開いた。ドラフト1位には報徳学園の小園海斗内野手(18)が最有力候補に挙がった。この日の会議を欠席した緒方孝市監督(49)を交え、25日午後5時から始まるドラフト会議の当日に話し合って最終結論を出す。1位指名が競合した場合は昨年に続いて緒方監督がくじを引く。

 スカウト会議が終わった頃、すっかり外は暗くなっていた。会議は午後2時から4時間に及んだ。松田オーナーは「長かったな。途中でオリックスとソフトバンクが(小園1位を)公言しただろう。それを踏まえて緒方監督と話す。なかなか決まらない」と悩ましげに話したが、これまでの方針通り、ドラフト1位は小園が有力だ。

 チームの将来を見据えると、田中、菊池に続く内野手の獲得は急務だ。球団幹部が「毎年毎年、いいショートは出てこない」と話すように走攻守三拍子そろう小園の評価は以前から高い。夏の甲子園、侍ジャパンU-18日本代表でも活躍。今季途中にはソフトバンクから曽根をトレードで獲得するなど、二遊間は手薄で、チームの補強ポイントにもピタリと当てはまる逸材だ。

 ドラフト会議を翌日に控え、小園の人気は急上昇している。この日の会議中にはオリックスとソフトバンクが1位を公表した。広島も1位指名すれば最低3球団の競合となる。同オーナーは「抽選にいってもいいと思う」とくじ引きも辞さない姿勢を示し、大役には緒方監督を指名した。

 球団関係者の話を総合すると、会議では小園に加えて東洋大・甲斐野を1位指名した場合のシミュレーションを重ねたもようだ。さらに1位候補12人の中から外れ1位、外れ外れ1位も想定。野手では俊足強肩で安打製造機の立命大・辰己涼介外野手の名前も挙がったようだ。

 苑田スカウト統括部長が「緒方監督から即戦力ピッチャーを一枚ほしいと聞いている」と明かしたように、現場の要望は投手陣の強化。ただ、すぐ1軍で通用するかは未知数。素材などを慎重に見極めて、1~3位までは野手、投手のバランスを重視して指名する。

 緒方監督を交えた最終のドラフト会議は25日の14時から。1位の3球団競合となれば、2013年の大瀬良以来となる。今季は球団史上初のリーグ3連覇を達成した。日本シリーズ直前の大一番。黄金時代到来へ、競合覚悟で小園を引き当てる。

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