誠也 初の開幕4番で快幕打 鯉4年ぶり白星発進!3連覇もらった

 「広島6-3中日」(30日、マツダスタジアム)

 右くるぶし骨折からの復活を目指す広島・鈴木誠也外野手(23)が、昨年8月23日・DeNA戦以来219日ぶりの公式戦出場を果たし、復帰後初安打初打点をマークした。球団では前田智徳、藤井弘に次ぐ若さで自身初の開幕4番を務めた。チームは4年ぶりの開幕戦勝利で、マツダスタジアムでは初勝利。若き主砲の一打で弾みをつけ、リーグ3連覇を目指すシーズンを快勝劇でスタートさせた。

 若き主砲が存在感を存分に発揮し、戻って来た。鈴木が復帰後初安打初打点をマーク。自身初の開幕4番を務めた男のひと振りに、真っ赤に染まる本拠地で、耳をつんざくような大歓声が沸いた。復帰後初のフル出場を終え、ベンチ裏に引き揚げると、充実の表情を浮かべた。

 「楽しかったです。初の最後までだったので疲れました。開幕を無事終えられたのが良かったし、勝てたのが良かった」

 初回の第1打席は四球で出塁。そして同点の三回無死二塁だった。フルカウントからの8球目、小笠原が投じた高めのチェンジアップを仕留めた。打球は左中間を真っ二つに割り、一時勝ち越しの適時二塁打となった。

 「今年の目標は笑顔で。何とかつなげようという気持ちで打席に入った結果」。二塁ベースに到達すると大きくガッツポーズを作り、白い歯を見せた。

 昨年8月23日・DeNA戦で右くるぶしを負傷して以来219日ぶりの1軍公式戦だ。

 「僕にとってはすごい大事な時間でした。あの時はキツイと思ってたけど今、開幕迎えられて良かったなと改めて思う」

 故障後は足が思うように動かない日が続く中「もう一個、自分で上の段階を目指してやる」と懸命にリハビリに励んだ。沈みがちな気持ちを早く切り替え、慎重に慎重を重ねた末に、開幕戦のグラウンドに舞い戻った。

 「心」の部分も変化を遂げて戻って来た。「精神的な面とか、いろんな人に感謝の気持ちを持てるようになった」と球団トレーナーに漏らしたこともあった。入団以来、練習用と試合用グラブには「感謝」の文字を刻む。改めて己を見つめ直し、支えてくれる周囲への思いが沸き立った。

 鈴木の躍動に、緒方監督は「いいスイングをしていた。とにかく野手は一本出ると肩の力が抜ける」と目を細めた。「まだ1試合終わっただけ。気を引き締めていきたい」と鈴木。球団史上初のリーグ3連覇、34年ぶりの日本一へ向けて、帰って来た背番号「51」がチームを勝利に導き続ける。

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