「セＣＳファイナルＳ・第４戦、広島３－４ＤｅＮＡ」（２３日、マツダスタジアム）

　執念と意地を見せた。広島・丸佳浩外野手が真っ赤に染まったスタンドへ白球を叩き込んだ。勝利にはつながらなくても、次戦につながる大きなチーム今ＣＳ第１号。待望の一発に手応えを感じながらも、敗戦に険しい表情を浮かべた。

　「しっかりといいスイングができたと思います。ですが、その後は（安打が）出なかった」

　初回１死二塁の絶好機で打席を迎えた。カウント１－１からの３球目、ウィーランドが投じた内角低めへ食い込むカーブに反応。体を鋭く回転させて、バットを振り抜いた。高々と舞い上がった打球は右翼ポール際へ飛び込む２ラン。先制点をもぎ取った。

　復調の兆しとなる一発に思われたが、２打席目以降は快音が響かず、１四球２三振。打線の軸として、チャンスをつくれなかったことに悔しさをにじませた。

　「負けたら終わってしまうからといって、特別な意識はない。崖っぷちは崖っぷちだけど、試合が始まったらああだこうだと考えていられない。しっかりと準備をして臨みたい」

　これでアドバンテージを含めて２勝３敗。ＣＳ突破へ王手をかけられた。迎える大一番。やるべきことは分かっている。一戦必勝。一致団結して、まずは目の前の試合に全力を注ぐ。