新井、気迫打&激走 たかが1敗…ベテラン惑わずチーム鼓舞

 「セCSファイナルS・第2戦、広島2-6DeNA」(19日、マツダスタジアム)

 CSファイナルSは19日、セ、パ両リーグともに第2戦が行われ、広島は野村祐輔投手(28)が5回8安打4失点の乱調。打線も反撃及ばず敗れたが、新井貴浩内野手(40)が2度の激走でチームを鼓舞。第3戦を勝利して、2年連続日本シリーズ進出に王手をかける。

 新井が珍しく表情をゆがめた。3点を追う八回1死一、二塁。一発出れば同点の場面。スタジアムのムードは最高潮に達し、鯉党の祈るような視線が打席へ向けられた。しかし…。2ストライクからパットンの変化球にバットが空を切る。チームを救えず「今日は今日で終わったから。また明日に向けて準備したい」と短く言った。

 チームはDeNAの先発・ルーキー浜口に苦戦した。7安打を放ちながら、2得点と打線が沈黙。2戦目でCS初黒星を喫した。新井も「球の力があったし、低め低めにコントロールされた」と脱帽。そんな苦しい展開の中、ベテランが激走でチームを鼓舞した。

 まずは二回だ。1死から四球を選ぶと、続く西川の打席で初球がワンバウンド。瞬時に走りだし、二塁へ滑り込んだ。さらに六回は1死一塁から左前打。左翼・筒香が三塁を狙ったバティスタを刺そうと送球する間に二塁を陥れた。

 大一番で不安を吹き飛ばした。シーズン終了後にへんとう炎を患い、社会人との練習試合を欠場。ぶっつけ本番でCSへ臨んだ。実戦勘を心配する声もあったが「何年やっていると思っているんだ!」と豪快に笑い飛ばした。その言葉通り、本番ではきっちり仕事を全う。「6番・一塁」で2試合連続スタメンを託した首脳陣の期待に応える活躍だ。

 チーム最年長としてリーグ連覇のシーズンを駆け抜けた。「柱という意識はない」と言いつつ「発言、行動」には常に細心の注意を払い、責任を背負ってきた。「チームスポーツだから。プロゴルファーでも、テニスプレーヤーでもない。プロ野球選手だから」。うれしい時は少年のように喜びを全身で表現するが、マイナスの感情に気づいた時はグッとこらえる。すべてはチームのため。精神的支柱として、若いチームを支えてきた。

 悔しい敗戦となったが、試合後のチームに重苦しい雰囲気はない。ナインは下を向かず、前を向いていた。頼もしい後輩と共に新井が全力プレーを貫く。

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