カープ試練…2年4カ月ぶり月間負け越し 11差だった阪神と5・5差に

 「巨人3-1広島」(31日、東京ドーム)

 広島は緒方孝市監督(48)の勝負手も不発に終わり、巨人に連敗を喫した。1-3の八回2死一、二塁で菊池に代打・岩本を送ったが、三ゴロに倒れた。六回に仕掛けたヒットエンドランも失敗に終わり、6安打で1得点だった。チームは12勝13敗2分けで8月の月間負け越しが決定。2位・阪神が勝利したため、ゲーム差は「5・5」に縮まった。

 緒方監督がベンチを立った。差し出した手の先には、準備を整えていた岩本がいた。1-3の八回2死一、二塁。菊池に今季初めて代打を送った。勝負手に、球場の一角を埋めた鯉党からは、驚きの声が上がった。

 この回先頭の安部が右前打で出塁し、2死後に田中が四球を選んで一、二塁。長打が出れば同点の場面が整った。菊池は七回まで3打数無安打。前日は2安打したものの、それまでの3試合は11打数無安打と精彩を欠いていた。

 一方の岩本は、代打から途中出場した前日に2安打を放ち好調を維持していた。指揮官は「キクに対しては、レギュラーとして試合に出てもらっている。信頼もしている」と話す。その上で「今の(菊池の)打撃状態やいろいろなことを考えて判断した」と代打策について説明した。

 だが、積極策は実らず三ゴロで無得点。岩本は「コンパクトなスイングを心掛けたんですが…。1本出るか、出ないかでチームの勢いが変わっていた。悔しい」と言葉を絞り出した。

 七回までに打線が田口から奪った得点は、磯村のソロ本塁打による1点のみ。六回1死一塁で試みたヒットエンドランは、菊池が空振り。スタートを切っていた一走・田中が二塁でタッチアウトになった。「きょうは何とか今まで以上に結果を出したいと思っていた。いつもと入り方を変えたけど、うまくいかなかった。自分たちの責任」と石井打撃コーチ。対田口は1勝4敗。対策を練って臨んだものの、結果にはつながらなかった。

 2連敗を喫したことで、8月は12勝13敗2分け。15年3、4月(25試合で9勝16敗)以来となる月間負け越しが決まった。8月1日時点で、2位阪神とのゲーム差は「11」あったが「5・5」まで縮まった。

 1日からは神宮でヤクルトとの3連戦。緒方監督は勝敗に一喜一憂せず、バスに乗り込む前「一戦一戦という気持ちは変わらない」と力を込めた。リーグ連覇を目指して戦う勝負の9月戦線。これまでと同様に、ナインを信じてタクトを振る。

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