エルドレッド8号!頼れるキング弾 12失点大敗も…助っ人が苦境切り開く

 「ヤクルト12-3広島」(11日、神宮球場)

 広島は今季ワーストタイの12失点で2カード連続の負け越し。首位・阪神とのゲーム差は1・5に開いたが、ブラッド・エルドレッド内野手(36)が四回にリーグ単独トップに躍り出る8号ソロ。12日からは本拠地・マツダで巨人との3連戦。好相性を誇る助っ人が苦境を切り開く。

 これぞエルドレッドだ。ダイヤモンドをゆっくりと一周する主砲に左翼席の鯉党から大歓声が注がれる。意地と執念が打球に力を与えた一撃。バックスクリーン左に飛び込むリーグ単独トップの8号ソロだ。

 「最初の打席で甘い球を打ち損じた。次はどうにか打ち返してやろうと強い気持ちで打席に入った」

 1-2の四回1死。石川の初球、真ん中低めへの126キロシンカーを完璧にすくい上げた。高々と舞い上がった打球は失速することなく中堅後方へ。9日の同戦以来、2試合ぶり一発で一時は試合を振り出しに戻した。

 14年に37本塁打を放ち、本塁打王に輝いた元キング。ここ5試合で4発と量産しているが「個人的なタイトルについては考えていない。まだシーズン序盤。チームの勝利を優先したい」と目の前の一戦一戦に視線を向ける。

 5点を追う八回2死二塁では、石山から中前適時打。「得点圏にいるランナーをかえすことが僕の仕事」。チームが徹底している最後まで諦めない姿勢を貫いた。開幕からここまで34試合に出場。この日は4打数2安打2打点で打率をリーグ3位の・340とした。

 来日6年目。警戒されながらも安定した成績を残し続けている。「長年、野球選手をしているので、自分のスイングについては理解している。体の状態によって日々、変化が訪れると思う。映像を見て修正するというよりも、自分の感覚を基に修正している」。これまでの経験を生かし、力を発揮できる最善の状態を整えている。

 チームは2カード連続の負け越しを喫したが、12日からは本拠地・マツダで3位・巨人との3連戦。頼れる男は今季15打数6安打2本塁打4打点の打率・400とGキラーぶりを発揮している。「相手がどこであろうと、得点を入れるということに変わりはない。また明日からだね」。背番号55が大きな背中でチームを勝利に導く。

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