菊池が地元Vへ躍動 翔んだ!打った!刺した!
「広島4-1中日」(6日、マツダスタジアム)
頼れる男が攻守に躍動した。優勝マジック4で迎えた本拠地3連戦。地元Vが視界に入ってきても、広島・菊池のプレーに一切の乱れはない。打っては2安打。加えて好守備、好走塁でチームをけん引。「いつも通りできたことが一番」とサラリと振り返った。
2点リードで迎えた三回の第2打席。右前打を放ち、続く丸の右前打で三進し、右翼・平田から中継への返球が乱れるのを見逃さず、ヘッドスライディングで3点目のホームへ。「ボールを見ていれば分かる。1点取れると」と相手のミスを突き、その後の新井の一発につなげた。
守っては3点リードの七回。無死一塁からエンドランを仕掛けてきた相手の攻撃を、無駄のない動きで一瞬でつぶした。杉山の二遊間寄りのゴロをさばき、二塁へスライディングする一走・近藤にタッチ。素早く一塁へ送球し、併殺を完成させた。「リラックスして守れている結果」。マウンドのジョンソンも「守備で助けてくれて感謝したい」と最敬礼した。
刻一刻と近づく歓喜の瞬間。それでも「気負わず、いつも通り、全員野球で」と淡々と話し、タクシーに乗り込んだ。25年ぶりの優勝へ立ち止まることなく進む赤ヘル軍団。決して浮つくことのない背番号33が、最後までその先頭に立つ。