“神ってる”鯉!落球サヨナラで9連勝

 「広島4-3阪神」(26日、マツダスタジアム)

 あまりに劇的な幕切れだ。1点を追う九回2死満塁、会沢翼捕手(28)が、粘って起死回生の左前同点適時打を放つと、なお満塁で代打・松山竜平外野手(30)の左中間への飛球を相手がまさかの落球。今季6度目、6月だけで5度目のサヨナラ勝利を収めた。広島は98年以来の9連勝で、96年以来の貯金14。2位巨人とのゲーム差は8。この勢いのまま突き進む。

 マツダスタジアムの悲鳴が歓喜に変わった。3-3の九回2死満塁。代打・松山が左中間に高々と上がるフライを打ち上げた。左翼・俊介と中堅・中谷が衝突し落球。三塁から鈴木が生還し、98年以来18年ぶりの9連勝をつかみ取った。

 「うちの打線はこのままでは終わらないという雰囲気がある。初出場と同じくらい緊張しました。足がガクガクだった。勢いに乗っているので負ける気がしない」。誰も予想できなかった結末を、松山はそう振り返った。

 6月だけで5度目、今季6度目のサヨナラ勝利へつないだのは、同点適時打で岩貞を降板に追い込んだ会沢だ。1点ビハインド。丸の左前打で始まった九回。安打と四球で2死満塁となると、集中力を極限に高めた。「下水流が三振に取られたので、敵を取ってやろうという気持ちで打席に入りました」。目の前で同級生が受けた屈辱に闘志を燃やした。

 岩貞が2ストライク1ボールから投じた6球目。「前の打席はチェンジアップでやられていたので、真っすぐかチェンジアップだと思っていた」。真ん中低めのチェンジアップを、左前へはじき返した。同点となり、サヨナラへの機運は最高潮に達した。

 18日のオリックス戦(マツダ)で2戦連続サヨナラ弾を放った鈴木を「神ってる」と表現した緒方監督は、「信じられない形で勝ちが取れた。信じられない幕切れ。地の利というか、本拠地でやっているからね。阪神に3つ勝てたというのは大きい」。この日は“信じられない”を連発した。

 八回までに岩貞から放った安打は新井のソロ1本だけ。「次の甲子園で対戦したら苦戦すると思っていたが…。(先頭の)丸が打ってくれてそういう雰囲気にしてくれた」と、最後まであきらめない姿勢をたたえた。

 2位巨人に8ゲーム差をつけ首位を独走。貯金は96年以来、20年ぶりの14とした。本拠地10連勝のうち、サヨナラ勝ちが5度。真っ赤な大声援の後押しを受け、25年ぶりの悲願の優勝へ突っ走る。

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