大瀬良 来季は200投球回で15勝だ

 広島の大瀬良大地投手(24)が9日、広島市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、1100万増の年俸4600万円でサインした。2年目の今季は中継ぎに配置転換されたが、来季は先発に復帰する。エース前田健太投手(27)がポスティングシステムでの米大リーグ移籍を目指しており、その穴を埋めるため15勝、200投球回を目標に掲げた。

 無数のフラッシュを浴びながら、大瀬良は引き締まった表情で口を開いた。「ふがいない結果だったが、思っていた以上に評価していただいた」。1100万増の4600万円で契約を更改。球団の期待を肌で感じ、来季へ向けての決意も新たにした。

 今季はチーム事情もあり、シーズン途中から中継ぎに配置転換。51試合に登板し3勝8敗20ホールド、2セーブ、防御率は3・13だった。「先発で負け試合が多いが(中継ぎとなって以降は)勝ち試合での防御率が0・89だった」と鈴木球団本部長。手薄だった中継ぎ陣を補う活躍を見せたことを、球団は高く評価した。

 来季は先発に復帰する。今季15勝した前田は米大リーグ移籍が濃厚で、戦力ダウンは否めない。それだけに右腕に掛かる期待は大きい。大瀬良自身もその自覚は十分。「球団から15勝を目指せと言われ、僕もその思いです」と気持ちを引き締めた。

 勝ち星と同様に、先発に求められるのは投球回だ。今季は中継ぎを経験し、その負担の大きさを実感した。8日に現役続行を表明した黒田が、シーズン終盤でも疲れた体にムチ打って登板志願する姿を目の当たりにした。

 「黒田さんが最後まで投げたいと言っておられて心を打たれた。僕も中継ぎを助けられる投手になりたい。180~200イニングは投げないと」

 目標の数字は簡単ではないが、準備は着々と進めている。シーズン中に痛めた右手中指関節炎はキャッチボールができる程度に回復。この日も契約更改交渉後にマツダスタジアムの室内で約1時間、体を動かした。来年2月1日に万全の状態で臨むため、トレーニングの手は緩めない。

 「(前田から)来年以降はお前が中心になってやっていかないとダメだぞと言われた。(投手陣の)柱としてやっていかないといけない」と先を見据えた背番号「14」。来季、25年ぶりのセ・リーグ制覇へ、大瀬良の活躍は欠かせない。

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