マエケン2回38球ストレートで0封
「オールスター・第2戦、全セ-全パ」(18日、マツダ)
全セの2番手として登板した前田健太投手(広島)が、2回を2安打無失点。全38球すべてストレートで、パ・リーグの強力打者を牛耳った。
慣れ親しんだ本拠地のマウンドで、マエケンの意地がさく裂した。“異変”に気付いた観客が、1球ごとにざわめく。30球を超えても、前田の右腕から放たれるボールは、すべてストレート。先発した先輩・黒田(広島)にも劣らない“男気投球”を見せた。
先頭の秋山(西武)への初球は、いきなり149キロ。外角への直球を5球続け、歴代3位の31試合連続安打をマークした巧打者を封じた。驚異的なパワーを誇る柳田(ソフトバンク)相手には、この日最速となる150キロを記録。あくまで力でねじ伏せた。
勢いは、2イニング目も止まらない。地元・広島出身の中田(日本ハム)を右飛に抑えると、中村(西武)は3球三振。続く糸井(オリックス)、松井稼(楽天)には自身のグラブを直撃する強襲安打を許したが、中島(日本ハム)をしっかり抑えて無失点で役割を終えた。
すがすがしい表情でマウンドを降りた前田は「途中から、今日は真っすぐだけでいこうと決めました」と笑顔。38球の熱投を「疲れますね、真っすぐ投げるのは力がいるんで…。ピッチャーライナーが2つあったんで、悪意を感じましたが(笑)」と冗談交じりに振り返った。
凱旋先発となった黒田の後を受けた登板だけに、感慨もひとしお。「今後、黒田さんの後を投げることはないかもしれないので、貴重な経験になりました」と、誇らしげに話した。