マエケン気迫の8勝目!鯉3位浮上

 「中日2-3広島」(10日、ナゴド)

 広島・前田健太投手(27)が7回2失点と粘投し、リーグ単独2位となる今季8勝目を挙げた。自身4連勝でチームの連敗を2で止めた。8日に他界した宮脇敏(さとし)育成部大野寮長に、弔いの白星を捧げるとともに、あらためて今季優勝への意気込みを口にした。

 ほえた。グラブをたたき、握り拳をつくった。前田が感情を爆発さた。3-2の五回2死満塁。ナニータを直球で二ゴロに封じた。「調子は全然でした。粘り強く投げるしかない、と割り切りました」。それでも7回7安打2失点。リーグ単独2位となる今季8勝目を挙げた。

 1-0の二回1死一、三塁では高橋周の遊ゴロ併殺崩れの間に同点とされた。3-1の三回2死三塁、遠藤の遊撃内野安打で1点差にされた。四回以降はスライダーを軸に、得点を許さなかった。

 天国に白星を届けた。8日に球団の育成部大野寮長だった宮脇敏さんが63歳で死去。名古屋遠征のため、参列できなかった9日の通夜には花輪を送った。この日は葬儀・告別式だった。どうしても勝ちたかった。

 2軍で過ごした新人時代、育成本部副部長だった宮脇さんから公私にわたって世話になった。「ファームの時はよく褒めてくれた。認めてくれた。『お前は早く1軍で活躍しないと』と言ってもらって、自分もそう考えていたし、自信になりました」と、感謝を口にした。

 自身4連勝。チームの連敗を2で止め、3位浮上に導いた。7月は10年から14年までの5年間は通算11勝5敗と、得意にしている。「あまり意識していない。体調管理に気をつけて、マウンドに上がるだけ」と話すが、チームにとっては心強い限りだ。

 次回は中4日で15日・阪神戦(甲子園)に先発する可能性がある。投球数が107球だったことを受け、畝投手コーチは「考えはあるが、まず状態を見る」と言及した。

 前田は天国の宮脇さんへ「チームとしては悲しいことですけど、頑張っていかないと。優勝を目指してチーム一丸になりたい」と誓った。勝負の夏。右腕が躍動する。

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