エルド決勝弾「ホームラン王になる」

 「交流戦、広島3-1楽天」(7日、マツダ)

 主砲が決めた。広島のブラッド・エルドレッド内野手(34)が1-1の六回無死一塁、左翼席へ勝ち越しの4号2ランを放った。チームの連敗を阻止し、2カードぶりの勝ち越し。交流戦成績も6勝6敗の五分に戻した。昨季の本塁打王はお立ち台で、2年連続のキング奪取を宣言。アーチを連発し、鯉を上位へ押し上げる。

 マツダスタジアムの大歓声を独り占めした。エルドレッドが巨体を揺らしながらダイヤモンドを一周する。緒方鯉を救う値千金の一撃。太い二の腕から無限のパワーを見せつけた。

 「いい当たりだった。しっかりと芯で捉えることができた。(球場に)何か大きいのが出る雰囲気があったし、一本打てて良かった」

 1-1の六回無死一塁。則本が投じた3球目の外角直球を振り抜いた。はじき返した瞬間に柵越えを確信。左翼方向へ伸びる白球を目で追いながら、ゆっくりと歩を進めた。

 前打席の反省を生かした。四回無死一塁では外角フォークを追いかけて空振り三振。打ちたい気持ちが空回りし、打ち急いだ。「体重を後ろに残して振っていこうと思ったんだ」。見事に修正し、最高の結果を呼び込んだ。過去に優勝チームがない借金「9」の危機を脱し「7」に戻す一発に、緒方監督も「よく打ってくれた」と目尻を下げた。

 7月末に誕生予定の第3子の存在が大きな力になっている。

 現在は2女の父。「3人目も女の子だと思う。男の子だったら野球を教えたい気持ちがあるけどね。でも女の子でも楽しい経験をさせてもらっている。健康で生まれてきてくれたらうれしい」。妻シンシアさんらは出産に備えて8日に帰国する。「生まれるまでにたくさんのスラィリー人形をもらわないと」。本拠地で本塁打を打てばもらえるマスコット人形。数多くのアーチをかけて、まな娘たちが再来日したときにプレゼントするつもりだ。

 今季、初めて上がったマツダスタジアムのお立ち台で言い切った。「去年と同じようにホームラン王になれるように頑張りたい」。球場は拍手喝采。そして応援歌が鳴り響いた。「エルドレッド!ホームラン!エルドレッド!無限のパワー!」。その太い二の腕で、鯉党にもっともっと歓喜をもたらす。

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