大瀬良かわいそう…また無援で4敗目

 「巨人1-0広島」(13日、東京ド)

 広島・大瀬良大地投手(23)が7回5安打1失点と好投しながら4敗目を喫した。三回、大田に今季1号となる左越えソロを被弾し、これが決勝点になった。打線は無得点に終わり、今季5度目の0-1敗戦で、完封負けは7度目。6連勝後に2連敗を喫し、阪神と並んで同率で最下位となった。

 真っ赤に染まった左翼席に白球が吸い込まれた。失投を捉えられた痛恨の一発。大瀬良は、唇をかんで悔しさを表現した。7回100球を投げ5安打1失点。粘投も、1球に泣いた。

 「大田さんに、一番投げてはいけないコースに投げてしまった。悔しいです」

 0-0の三回1死。初球の外角を狙ったカットボールが真ん中に入った。売り出し中の大田がそれを見逃してはくれなかった。相手先発の大竹は好調だっただけに、避けたかった先制点だった。

 それでもパワーピッチャーの迫力は見せた。直球は、二回のアンダーソンの打席で150キロを計測。追加点が許されない0-1の七回2死三塁では、大田を147キロの直球で右飛に打ち取った。「腕を振って投げた。力でいくところはいけた」。自慢の武器で、無得点で切り抜けた。

 4月まで勝ち星なし。5月4日の巨人戦(マツダ)でようやく今季初勝利を手にした。白星がつかない中、4月中旬に自身の投球を見つめ直した。会沢や畝投手コーチらと話を重ねることで「持ち味は真っすぐ」を再認識した。

 プロ入りを勝ち取ったのも、昨季新人王を獲得したのも、150キロを超える直球を主体とした投球をしたからこそ。開幕前に習得し、シーズン序盤は多投したツーシームを、4月21日の巨人戦(前橋)から減らした。もう一度、直球で打者をねじ伏せる-。原点回帰したことが、大崩れしなくなった要因だ。

 「最低限の仕事はできたと思う。次もしっかりと準備して、試合をつくりたい」と前を向いた。白星には手が届かなかったが、自らのスタイルを貫くその先に、まぶしいくらいの光が待っている。

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