開幕はマエケン!緒方監督が公開指名

 広島の前田健太投手(26)が31日、宮崎県日南市内の宿舎で行われた全体ミーティングで、緒方孝市監督(46)から開幕投手に指名された。メジャーから復帰した黒田博樹投手(39)も候補に挙げていた新指揮官だが、現エースに大事な一戦を託すことに決めた。超異例の通達で2年連続5度目となる大役を任されたマエケンは「監督の1年目。優勝するために頑張る」と覚悟を示した。

 小刻みに揺れる体は、寒さのせいではない。緒方監督からエースに用意されたサプライズ。それは投手にとって栄誉の一つである“開幕投手”の指名-。2年連続5度目の大役を担うことになった前田は、真っ黒なスーツ姿で興奮気味に意気込みを語った。

 「ビックリしましたね。ああやってみんなが集まった中で、直接言ってもらったのは初めてですね。監督の1年目。優勝するために、力になれるようにしっかり頑張りたい」

 キャンプイン前日のこの日、スタッフ、選手が集まり、全体ミーティングが開かれた。その席上で緒方監督は前田に「その(開幕投手)つもりでおってくれ」と直々に伝えた。ミーティング後、黒田や大瀬良ら主戦投手への配慮や今後の調整具合を考慮し、「正式に断言はできない」と前置きしながらも、「前田健太がウチのエース」と“公開通達”の理由を明かした。

 シーズンのスタートを切る大切な一戦。そのマウンドは当然、前田自身も目指していた場所だ。自主トレ中から「開幕を狙う」と公言し、黒田の復帰にも「遠慮するところじゃない」と口にしてきた。それだけに「プレッシャー、責任を感じます。僕にとってはありがたいし、うれしいです」と身震いした。

 2年連続3位でCSに進出した昨季は、後半に失速。前田も後半12試合で2勝5敗、防御率3・25とエースの責任を果たせなかった。「昨年の悔しさは誰よりも僕が一番強い。僕が一番強い気持ちでと思った時に、監督からみんなの前で言ってもらった。より一層気持ちは強くなった」

 託された使命は理解している。「僕が引っ張るという気持ちで。自覚を持って人一倍頑張ります。期待に応えたい」。指揮官の熱い思いを力に変え、エースが開幕戦のマウンドに立つ。

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