「練習試合、広島２-５ＫＩＡ」（２８日、コザしんきん）

　広島の福井優也投手（２６）が開幕ローテ争いに残った。韓国・ＫＩＡとの練習試合に２番手で登板。課題だった制球面もクリアし、３回を１安打無失点に抑えた。

　前回登板した２３日のロッテとの練習試合（コザしんきん）では３被弾で３回５失点と炎上したが、この日は最速１４６キロの直球にカーブを織り交ぜた投球で打者を圧倒。ストライクを先行させて凡打の山を築いた。

　登板後はホッと胸をなで下ろした。「前回は打者に向かっていけない自分がいたが、今回は向かって投げた。どんどんストライクを取ることも課題だったけど、それもできた」と振り返った。

　前回の登板後、制球を安定させるヒントを見つけた。それは打者を見る“目”だ。「制球を意識しすぎてフォームが速くなったり、力んだりしていたけど、（セットポジションで）左目で打者を見るようにしたらよくなった」。この日の試合でも左目で打者を見て投げることを意識し、無四球だった。

　野村監督は「今日は素晴らしかったけど、今日“は”ではね。これを続けて安定していけば（ローテ入りの）チャンスはある」と条件付きで称賛した。「どんどん自分を磨いて勝負していきたい」と福井。この２年間、迷路から抜け出せないでいた右腕が、開幕ローテ入りへ名乗りを上げた。