前田劇場もう一丁!マエケン有終締め

 智徳の後は健太の「前田劇場」じゃ!広島・前田健太投手(25)が4日、マツダスタジアムで今季最終戦となるヤクルト戦へ向け調整した。狙うはハーラートップタイ16勝目と球団では88、89年、大野豊以来の2年連続防御率1点台。CSファーストS第1戦(12日・甲子園)へ、虎斬りリハーサルを敢行する。

 前田智徳が別れを告げ、熱狂の渦に包まれたマツダスタジアム。花束を渡し、涙した前田健も、前夜の余韻は体に残っていた。

 「カープにとってかなり大きい存在だった。いなくなると考えると寂しい」。カープで前田と言えば智徳。同姓であったことが、プロ人生にも大きく関わってきた。

 「『マエダ』は絶対的だった。しっかり結果を出さないと、覚えてもらえないと思った。前田さんの存在があったからこそ『マエケン』という覚えやすいニックネームを付けてもらえた」

 今や大エースとして成長しチームの顔となった。今季、16年ぶりAクラス、初のCS進出も決めた。「未来のカープが明るいことを願って引退します」と、スピーチした天才打者の意思は、もう一人の前田がきっちり受け継いでいく。

 まずは5日の今季最終、ヤクルト戦を勝利で締め、CSへ弾みを付けるのが仕事だ。勝てば自身最多となる16勝。最多勝争いは3試合を残すヤクルト・小川が有利ではあるが、目の前で並んで重圧をかけたいところだ。

 防御率は現在1・96でリーグトップは確実。6回1/3、2失点以下で、防御率1点台となる。「セ・リーグで1点台はいないので1点台で取ってこそ価値がある。目指したい」とキッパリ。2年連続1点台は球団では長谷川良平(54、55年)、大野豊(88、89年)以来、3人目の快挙となる。

 「6回で2点以上取られたら、ダメな投球ということ。CS前に(自らに)そういうプレッシャーをかけながら、マウンドに上がれたら、CSにいい状態で臨める」。中6日で臨むことが決まっている12日、甲子園でのCSファーストS第1戦。5日の登板を虎斬りのリハーサルとするつもりだ。

 CS突破、そして22年ぶり日本シリーズ進出へ、これからが勝負。カープ新時代を引っ張る主役・前田健太に夢は託された。

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