中東が千金V打!再びお立ち台ゲット
「広島11‐6中日」(12日、マツダ)
夢にまで見た本拠地初のお立ち台から4日後、再び同じ場所に立った。菊池とともに、ファンの前で満面の笑みを浮かべた広島・中東。「1回(お立ち台に)上がったら、また上がることもあるんだな」。信じられない表情を浮かべたが、試合を決めたのは間違いなく小兵のバイプレーヤーだった。
同点に追いつかれた直後の六回の攻撃だ。1死一、三塁の好機で回ってきた打席。六回表の守備中に右翼に入ったため、この試合の初打席だったが、思い切って初球からバットを振った。詰まり気味にしぶとく三遊間を破る適時打。満塁弾のように派手ではないが、値千金の決勝打だった。
今季は捕手もできるユーティリティープレーヤーとして開幕1軍のベンチに入った。守備固めや代走要員としての出場から、打撃でも結果を出し続け、現在の打率は・429。「シーズン当初は調子がよかったけど、今は物足りないものがある」と納得はしていないが、打者としても貴重な戦力となっている。
今や離脱中の前田智に代わる切り札的存在の中東。野村監督も「彼は打撃でもいいところで安打を打っている。今、一番期待できる選手」と、言い切るほどだ。
その指揮官の言葉に中東は恐縮しながらも、「前田さんの分を誰かがカバーするのではなく、全員でカバーしようと控え選手は思っている」と胸を張った。けが人続出の野村鯉を、これからも縁の下で支える。