広島ミス地獄5連敗…菊池手痛い3失策

 「広島3‐7DeNA」(7日、マツダ)

 広島がミスのオンパレードで今季初の5連敗、借金もワースト6に膨らんだ。菊池涼介内野手(23)が3失策の守乱で前田健太投手(25)の足を引っ張ると、堂林翔太内野手(21)は六回に送りバント失敗。中継ぎの福井優也投手(25)は七回、押し出し四球を出すなどして、追い上げムードを壊した。エースの登板試合でも連敗は止められなかった。

 今季最悪の試合に本拠地ファンからは怒声、悲鳴が上がった。0‐0の二回だ。初回を3者連続三振と絶好のスタートを切ったエースの足をこれでもか、と引っ張った。

 無死満塁のピンチを背負った前田健は、石川を二ゴロに仕留め1死満塁。続く鶴岡は注文通りの二ゴロ併殺と思われたが、そこで菊池がポロリ。慌てて二塁へ送球したが遊撃・安部の足が離れ、セーフとしてしまった。

 痛恨の先制を許し、なお1死満塁。井納は再び二ゴロに打ち取ったはずが、またも菊池が捕球し損なう。球が手に付かず、一塁ファウルゾーンまでコロコロ。その間に走者が2人かえり、この回3失点を喫した。

 菊池はもはや平常心ではなかった。四回にも二ゴロにあたふた。3失策目を喫し、4失点につなげてしまった。「(言うことは)何もないです」。試合後、野手陣の緊急ミーティングを終えた菊池は声を絞り出した。

 菊池だけではない。1‐4の六回、岩本の適時二塁打で2点を返し、なお無死二塁では堂林が送りバントを失敗し捕飛に。3‐4の七回には福井が押し出し四球を出して反撃ムードを壊した。

 野村監督は「安打なしで点を与えるとかトータル的にミスでやられた試合。堂林もああいう場面でしっかり送らないと。守備もアウトを一つでも取っておかないと。やろうと思ってやってるわけじゃない。シーズンの中で取り返してくれたら。反復練習しかない」と、嘆くしかなかった。

 ベンチワークもまずかった。五回の前田健に代打・ルイスを告げた場面。ルイスはベンチでジャンパーを着たまま座っていた。慌てて上着を脱ぎ、打席へ向かったが左飛に倒れた。

 監督は「後ろでバットは振っていた。西村通訳がインフルでおらず、伝達がうまくいかなかったのかも。(代打に)いくと聞いていたのでコールした」と説明。ただ高コーチは「投手の継投とかで(ルイスに)伝えるタイミングがあそこしかなかった」と話すなど、伝達の不備が見えた。

 負の流れにのみ込まれ、5連敗で借金は最多6。鯉が深い泥沼にはまりこんだ。

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