エルド逆転サヨナラ打!鯉昇り5割復帰

 「広島6-5DeNA」(18日、マツダ)

 今季一番のドラマが生まれた。3点を追う九回。広島がブラッド・エルドレッド内野手(32)の中越え2点適時打で今季初のサヨナラ勝利を飾った。堂林の適時二塁打、安部の右犠飛で1点差に迫り、最後は2死満塁から4番打者が最高の歓喜を呼び込んだ。これで勝率5割に復帰。この勢いで19日から首位・巨人を迎え撃つ。

 ナインにもみくちゃにされ、歓喜のウオーターシャワーを心地よく浴びた。エルドレッドが来日初の劇打。4番の意地をかけた一振りで今季初サヨナラ勝ちを決めた。

 2‐5で迎えた九回だ。DeNA守護神・山口相手に怒とうの攻撃を繰り広げた。先頭・梵が中前打で出ると、堂林の右中間適時二塁打で2点差。代打・中東がしぶとく三塁内野安打で一、三塁とし、続く安部の右犠飛で1点差に迫る。ルイスは四球、代打・栗原も四球で1死満塁。丸は二ゴロで2死満塁となり、助っ人砲に鯉党の願いは託された。

 「みんなでつないで、これしかない場面を回してくれた。野球選手として光栄。いい集中ができていた」。研ぎ澄まされた集中力で、山口が投じた初球のスライダーに反応。芯で捉えた打球は前進守備のセンター頭上を越えるサヨナラ2点打となった。

 「バットに当たった瞬間、もらったと思った。本当に1本いいところで出た。記憶に残る試合になる」と喜びをかみしめた。3打席凡退で迎えた八回2死一、三塁では、9打席ぶりの安打となる左翼線適時二塁打を放っていた。「不満はたまっていたが、打席ごとに切り替えようと、それが好転した」。久々の安打で弾みをつけ、最後に大仕事をやってのけた。

 来日以来、自宅では“学生”だ。ネットを用い「クリミナル・ジャスティス」という米国の「学位」を取る勉強をしている。「警察や弁護士さんになるのに必要」という難しいもの。それでも「2人の子供がいる。父として見本になるように」と、勉強の大切さを教えるため、野球と二足のわらじを履く。家庭でもチームでも頼れる男だ。

 野村監督は劇勝後、ロッカー入りする前、「よっしゃー」と絶叫。「エルドレッドが気持ちいいのを打ってくれた。興奮してます!」と、九回につないだ全野手の名前を次々と挙げ、褒め称えた。3カード連続勝ち越しで勝率5割復帰。19日から迎え撃つ首位・巨人戦へ、赤ヘルの勢いは最高潮だ。

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