琢朗は鬼コーチ宣言「死んでもらう」

 今季限りで現役を引退した広島・石井琢朗内野手(42)が22日、マツダスタジアム内で来季1軍コーチとして正式契約した。守備走塁を担当する予定で梵、堂林、安部、菊池ら内野陣に「1回死んでもらう」と“鬼指導”を予告した。また古沢憲司氏(64)も来季1軍投手コーチとして契約。ともに31日からの日南・秋季キャンプに参加する。

 今季は選手兼任でコーチを務めたが、あくまで「ウエートは選手」だった。専任となれば一切の妥協はない。契約を終えた石井は「1回、死んでもらいます」と若手に鬼コーチを予告した。

 投手で入団し、野手に転向。猛練習で通算2432安打、ゴールデングラブ賞4度の名選手となった。自身の若手時代と比べ、練習量、質ともまだまだ甘いと、その目には映っていた。「ここ数年、丸くなっていましたが、それこそ若きころの僕は厳しかった。そういう目で若手を見る」と語った。

 ポストは守備走塁を担当する見込みで、堂林、安部、菊池ら若き内野陣を徹底して鍛え上げる。今季は両リーグ最多の113失策。「三遊間(堂林29失策、梵22失策)だけで中日の失策数くらい(55)。チームの失策数を半分にしないといけない」と決意表明した。

 若手だけではない。矛先は梵にも向いた。12日に右膝を手術した梵のもとを、前日に訪れた。自身も左膝を2度手術しており、「(患部の)映像を見れば僕のほうがひどい。『こんなの痛いうちに入らん』と言った。グラウンドに出れば言い訳はできない」と厳しいハッパをかけたことを明かした。

 広島移籍後は詩織夫人、2人の愛娘と離れ単身赴任生活だった。「近くにいたい」思いと「カープの若い選手と一緒にやりたい」と揺れていたが、その問題も解決する。

 何と来年は妻子も東京から引っ越し、家族で広島に住む予定なのだ。「来年からは一家で広島を応援する」。家族の全面強力を得て、琢朗が選手で果たせなかった「カープで優勝」の夢を叶える。

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